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人生に決着をつけるのは誰?

2009.06.27.Sat.03:43


「海を飛ぶ夢」

原題: Mar adentro (内なる海)
製作年: 2004 年
製作国: スペイン / フランス
監督: アレハンドロ・アメナバール
出演: ハビエル・バルデム 、 べレン・ルエダ 、 ロラ・ドゥエニャス 、 マベル・リベラ 、 セルソ・ブガーリョ 、 クララ・セグラ 、 タマル・ノバス 、 フランシス・ガリード

mar dentro


[あらすじ] (参照: goo 映画
この作品は、25 歳の時に海で事故にあい、以来 30 年近くものあいだ四肢不随に陥った実在の人物、ラモン・サンペドロ の手記 「レターズ・フロム・ヘル」 を元に製作された作品。ラモン (ハビエル・バルデム) は、自分自身の生きる意味に疑問を持ち、自ら死を望むが、体を自由に動かせないため自殺することさえ許されない。そこで支持者とともに裁判で尊厳死の許可を求めることになります。国中がラモンの 「尊厳死」 の話題でもちきりになります。ラモンを支持する弁護士、ラモンを見守る家族、ラモンを愛する人々に囲まれながら、果たしてラモンは尊厳死を遂げることができるのか・・・



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

まだハビエル祭りは続きます (笑)。

そしてハビエルには、またまた驚かされ 「えっ、これがハビエルなのーーっ」 と固まってしまいそうでした。だって、この映画が撮影された当時ハビエルはまだ 35 歳なのに、この役の年齢は 55 歳ぐらいで、ベッドに寝たきりの四肢不随の役ですよ。

特殊メイクの技術力が優れていたのかもしれませんが、どこをどうみても 50 歳以上に見えます。四肢不随の役ですから、体で表現できないわけで、実年齢をはるかに超える人間を、首から上だけで演技するのです。

もう、なんと言うか、偉そうな言い方ですが、とにかくチープな演技がないし、あれほどセクシーなイイ男なのにナルシスト度ゼロ、カッコイイ自分を完全放棄しているところに脱帽ですかね。

一体どういう役作りをしているのでしょうかね・・・。しかも、頑張って役作りしました~みたいなあざとさもゼロ。

この作品でもヴェネツィア国際映画祭で、男優賞受賞!!
なんてこと!!俳優なら誰もが憧れる賞を、一生に 1 回受賞できればそれだけで凄いのに、すでに 2 回受賞って、あの非凡さは、説明できませんな~~(←絶賛中 )。

原題は 「内なる海」 。確かに分かりずらいですが、映画を観るとこの意味がよく分かります。邦題の 「海を飛ぶ夢」 は、ラモンの確固たる信念や価値観の深みが伝わらず、軽い響きに変わっていて、いまひとつだなぁと思います。

この作品でとても皮肉に描かれているのが、やはり宗教界 (カトリック教会) でしょうか。スペインは人口の 97% がカトリック信者ですが、無力な宗教をどこか冷ややかに見つめているような気がします。人の生死は、宗教によって本当に解決されるのかという疑問を投げかけているのでしょうか。

ラモンを訪れた神父にラモンの義姉が、「あなたの言葉は一生忘れない」 と言う場面がとても印象的でした。この神父自身も実は四肢不随なのですが、以前 TV のインタビューで、「ラモンが尊厳死を求めるのは、家族のラモンへの愛情が足りないからだ」 と言い切っていたのです。

ラモンの家族は、口数は少なくベタベタしないけれど、献身的で溢れるばかりの愛情をラモンに注ぎ、ラモンの行動を良いとも悪いとも批判せず黙って見守るような家族です。神父の言葉は、的外れもいいところ、世間知らずで苦笑してしまいます。この言葉に家族もラモンも傷つくだけであって、誰も救われることはなかったと思うのです。

尊厳死の問題は、本当に難しく、一体どこに正解があるのだろうかと思います。でも自分がラモンだったらと思うと、ラモンを非難することはできないと思ったりするのです。実在のラモン・サンペドロが残した手記のタイトルは 「レターズ・フロム・ヘル」 です。直訳すると 「地獄からの手紙」 になりますが、これほどまでの悲痛なタイトルは、ラモンが人間らしく死にたいと願う叫び以外の何ものでもないと思います。

この作品では、スペインのガリシア地方の自然の風景が数多く撮影されています。ぜひとも訪れてみたい地ですが、ガリシア地方のどこか哀しげな風景とラモンの心象風景が重なっているようにも思えます。


★★★


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