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蝶の舌、見たことありますか?

2009.07.01.Wed.20:23
「蝶の舌」

原題: La lengua de las mariposas
製作年: 1999 年
製作国: スペイン
監督: ホセ・ルイス・クエルダ
出演: フェルナンド・フェルナン・ゴメス、マヌエル・ロサノ、ウシア・ブランコ、ゴンサロ・ウリアルテ、アレクシス・デ・ロス・サントス

lengua de las mariposas


[あらすじ] (参照: goo 映画
スペイン内戦の直前。スペイン ガリシア地方の田舎で、モンチョ (マヌエル・ロサノ) は 1 年遅れて小学校に入学する。クラスの仲間と溶け込めないモンチョを担任のグレゴリオ先生 (フェルナンド・フェルナン・ゴメス) は温かく迎えてくれた。グレゴリオ先生は課外授業など子供たちに机の上での勉強以外のことも教える。先生が生徒たちに蝶の舌がどんなものかを教えると、モンチョは蝶の舌が見たくて仕方がない。そして、スペイン内戦の勃発。ファシストの勢力がガリシア地方まで及ぶようになり、ファシストに抵抗する共和派である先生にも危険が迫る。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ガリシア地方の美しい自然を背景に、スペイン内戦前夜を描いた作品。グレゴリオ先生は、教師と生徒という縦関係を超えて、生徒をひとりの人間として受け入れ、世代から世代へ伝えゆくべきものを伝えるという役割を担っていて、とてもヒューマンタッチに描かれています。

実は、タイトルに惹かれてこの作品を観たのですが、 このタイトルが 「蝶の舌」 である理由は、グレゴリオ先生が知識の探求について生徒に説く場面で、蝶の舌が引き合いに出されるからですが、教え子にとってはシンボリックなものとなります。

↑のポスターですが、モンチョが憎々しげな顔で投石をしようとする姿は最後の最後に見られるのですが、それまでのモンチョは、どこにでもいる純粋な心を持った、何でも興味を持つ子供にすぎません。この子役は、実に可愛らしく、演技経験のない新人子役だったそうですが、子供の演技ほど怖ろしいものはないなぁと思います。

蝶の舌を顕微鏡で見せてあげると約束した先生が、約束を果たさずに去ってしまうから怒っているとも受け止めとめられるほど、おそらく何が起こったか理解できない子供の憤懣やる方ない気持ちなのでしょうか。

そして、そんなあどけない子供を、こんな憎々しげな形相にさせてしまうところが、この映画の持つ切なさ、哀しさです。ある意味、後味はとても悪い映画とも言えます。それは、この作品の持つ背景とテーマがそうさせるからです。

ファシスト勢力の拡大という社会・政治不安から押し寄せる人間不信が、子供たちの将来や後世代に暗い影を落とすのが分かるからだと思います。それは、キラキラと陽光がまぶしい緑豊かな美しい森で走り回る子供たちの純粋さとは、あまりに対照的で、その対比が残酷に描かれているような気がします。

グレゴリオ先生は、車を追いかけてくるモンチョに向けるまなざしは、ただただ哀れに痛ましげですが、モンチョが大人になったら、グレゴリオ先生のことをどう思い出すのだろうかとか、モンチョは石を投げたことを後悔するだろうかとか・・・

スペイン内戦について知識があるわけではありませんが、こうした切り口でスペイン内戦が描かれた作品もあるのですね。


★★★★




コメント
始めまして!
わたし、スペイン映画大好きなんです。

最後、この子が他の大人と同じように
「赤!不信心者!」とののしりながら石を投げる
赤狩りの時代、そうしなければ
次は自分が目をつけられるとみんな知ってるから
だけどこの子は、石を投げながら
必死に先生を追いかけて「蝶の舌!」って叫ぶ

「蝶の舌!」って子供が叫ぶシーンで泣いてしまいました。
なかなか考えさせられる映画でしたね。
2011/06/12 03:42 にコメントくださった方

はじめまして。

ワタシもスペイン映画、好きです。それほど多くは見ていませんが... スペイン内戦に絡む素材も多いので、スペイン映画を見るには、スペイン内戦は避けて通れない社会背景ですね。

>「蝶の舌!」って子供が叫ぶシーン
そうそう。あの石が自分に向かって飛んでくるようで、ガツンとくる言葉でしたね~。



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