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時代の足枷

2009.07.01.Wed.21:18
「サルバドールの朝」

原題: Salvador
製作年: 2006 年
製作国: スペイン
監督: マヌエル・ウエルガ
出演: ダニエル・ブリュール、 レオノール・ワトリング、 レオナルド・スバラグリア、 ホエル・ホアン

salvador


[あらすじ] (参照: goo 映画
スペイン フランコ政権末期。反政府活動家の青年サルバドール・プッチ・アンティック (ダニエル・ブリュール) は、仲間とともに、活動資金を得るために銀行強盗を働き、その活動はエスカレートする。警察から追われ、警察官とのもみ合いの末、警官を射殺してしまい、逮捕され死刑を宣告される。死刑が執行されるまでの実話。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



実話がベースというだけあって、死刑執行に至るまでのサルバドールを取り巻く家族、友人、その他の人々とのやりとりがきめ細かく描写されています。

フランコ政権下では、反体制を叫んだ多くの若者が命を奪われ、サルバドールもある意味、スケープゴートのような存在だったそうで、裁判が公平に行われなかったと家族は今なお控訴しているようです。

サルバドールの活動内容は、若さゆえにエスカレートしすぎてしまい、義賊きどりだとの批判もあったようですが、多くの若者がそうした活動に身を投じる理由の根本には、暴力や理不尽さで人々を抑圧するフランコ政権という恐怖政治の足枷がつきまとっていたわけです。

サルバドールは、やけくそになって重要なカバンをプールバーに置き忘れて、何も知らないガールフレンドを巻き添えにするなど、身勝手すぎるところや、武器を所有して警官を殺してしまってもなお死刑執行の恩赦を待ち望むところなど、自分の行為の重さに疎く、無知で、愚かで、脆くて、純粋すぎて・・・

個人的には、この青年の行動には共感できませんが、平和な時代に生まれていれば、正義感あふれる心優しき若者として生きることができたと思います。理不尽さを黙って見過ごして生きることができなかったのでしょうね。サルバドールの父親は、死刑囚となった息子に面会しにくることはなく、沈黙の人であるけれど、息子を誇りに思っていたに違いないと思うのです。

奇しくも、「蝶の舌」 ではフランコ政権誕生期を、この作品では政権末期を扱い、スペイン映画を見るにあたっては避けて通れない、この時代の歴史的、社会的特性を少し勉強したような気がします。


★★★




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