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間に合っても、間に合わなくても

2009.09.08.Tue.23:54
「歩いても 歩いても」

製作年: 2007 年
製作国: 日本
監督: 是枝裕和
出演: 阿部寛、夏川結衣、樹木希林、 原田芳雄、YOU、高橋和也、田中祥平、寺島進、加藤治子

still walking


[あらすじ] (参照: goo 映画
とある夏の日。良多は、バツイチ子連れの妻のゆかり (夏川結衣) と息子を連れて実家を訪れた。不慮の事故で亡くなった長男の命日だからだ。姉のちなみ (YOU) の一家も来ている。母のとしこ (樹木希林) は、家族を迎えるべく料理の準備に余念がない。





■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


是枝監督の作品は、「花よりもなほ」 がとても気に入っています。出演陣の顔ぶれがなんと言っても豪華で、時代ものの奥ゆかしさ、人情ものの温かさと、独特の 'おかしみ' がマッチしていて笑いました。

この作品も、個性豊かな出演陣が揃っていて、見ごたえあります。タイトルの所以は、この物語の中で明かされるのですが、そうだったのかぁと。

当初、家族がテーマだと聞いていたので、お涙頂戴的は重苦しさがあったら、いやだななんて思っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。

昨年、釜山国際映画祭で、早朝当日券売り場に並んでいたとき、すぐ後ろにいた、ソウルからやってきたという学生が (なぜか日本語上手)、この作品を見たくて並んでいると言っていたのを思い出しました。学生の間でも是枝ファンが多いとも語っていました。


家族って、血が繋がっていても、繋がっていなくても、家族という意識の元に集まれる不思議な集団。血縁がすべてでなくても、血縁が重要なのもの事実だろうし。その代わり、血が繋がっているからといって、すべてを理解し合えるわけでもないし、いつも土足で踏み入れてもいいとわけでもなくて... 考えると本当に不思議な集団。

ひずみ、ゆがみ、すれ違い、思い違い、裏と表、ホンネとタテマエ、温もりと冷たさ、内と外... そんなものを抱え、入り混じって、渦巻いていて、見えないドラマがたくさんあるのです。

家族のひとりひとりがポツリと呟くひとことが、自分の家族にもどこかあてはまるようで、冷静な監督の視点が、怖ろしいほど鋭いと思いました。でも、TV のホームドラマのように、感情のうねりを巻き起こすわけではありません。ただ、淡々と。


実家となる横須賀の家の中や近所の風景も、自分には関係のない土地なのに、なぜか懐かしさが満ち溢れています。ただ映すのではなく、ディテールも盛りだくさんで緻密な画というものがわかります。

最後にそれぞれが呟く良多夫婦と両親との会話。一晩で互いに心打ち解けたのかと思いきや、それぞれ違う方向に顔を向けていて、これが現実かもしれないと思うと、心にすきま風が吹くような寂しさが漂いました。

「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」 というコピー。なんだかグサリと胸を刺されたような言葉。家族との関係においても、間に合うことよりも、確かにちょっと間に合わないことが多いのかもしれないですね。間に合っても、間に合わなくても、人生は続くのですけどね...



★★★★



 
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