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箱の中身はいつだって気になる...

2009.09.17.Thu.18:31
「パンドラの箱」


原題: Pandora'nin kutusu / Pandora's Box
製作年: 2008 年
製作国: トルコ=フランス=ドイツ=ベルギー
監督: イェシム・ウスタオウル
出演: ツィラ・シェルトン、ダリヤ・アラボラ、オヌル・ウンサル


pandora box


[あらすじ]
山奥の村で 1 人暮らしだった母親が行方不明との連絡を受け、娘 2 人と息子は村へかけつける。母親は無事に見つかったものの、病院へ連れて行くとアルツハイマー症と診断される。長女ネスリンは、自分の息子ムラットが家出状態、次女ギュジンは恋人との関係に悩み、長男メフメットは自堕落な生活に行き詰まりを感じている。山奥から都会イスタンブールへつれてきた母親とこれからどのように向き合うのか。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


昨年の NHK アジアフィルムフェスティバルで上映された作品です。

ストーリーは、山奥で行方不明になった母親を3人の姉弟が車で迎えにいくところから始まります。

車が走りゆくトルコの風景は、どこか重々しくて、車中の 3 人は口数が少なく、この 3 人はおそらく、普段から意思疎通をしている仲の良い姉弟ではないであろうことが見て取れます。そして、都会の隅で、それぞれが悩みを抱え、その解決や展望さえを持ち合わせていないということも。

母親がアルツハイマー症だと診断され、彼らには、さらに重石がのしかかってきたように見えます。親の 「老い」 を目の当たりにすることは、自分の人生を映す鏡のようでもあります。

親はいつまでも若くないということに気付いた時は、すでに自分も 「老い」 に向かっているということですね。

この作品の印象は、ほの暗さでしょうか。たとえば、姉弟 3 人が母親に迎えに行く道すがらの風景は、山に霧がかかっていて曇り空で、老女がその孫ムラットと海を眺める風景も、まだ陽の昇らない時間で、どちらも真っ暗ではなく、ほの暗いのです。

「老い」 というテーマ自体も、やはり暗さや陰りを隠せません。

序盤の展開はとても遅くて、セリフも少なく、ほの暗さのためとても重苦しく感じます。彼らの表情は無表情に近く、笑顔もなく、明るさやポジティブさも全く見えないのです。希望が見えない...。

見ている方も、やや暗い気持ちにになり、実は途中で見るのを止めようかと思いましたが、ふと、この作品のタイトルが 「パンドラの箱」 であることに気付きました。

神々はパンドラに決して開いてはいけないと言い含めた箱を与えたけれども、パンドラは箱を開けてしまいます。箱を空けるとさまざまな災いが飛び出してしまったので、あわてて箱の蓋を閉めてしまいますが、箱には最後の 1 つが残ったままでした。最後に残ったものは、さて、「希望」 だったのか 「絶望」 だったのか。(参照: Wikipedia)

ああ、だから 「パンドラの箱」 なのだと。結局、最後まで見ましたが、あのほの暗さは、光に変わる予兆だったのかもしれません。最後に残っていたものは 「希望」 であって欲しいですね。


★★★


 
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