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[PIFF 2009] 1. 「Café Noir」

2009.10.15.Thu.19:55
「Café Noir」

原題: 카페 느와르 (カフェ・ノワール)
製作年: 2008 年
製作国: 韓国
監督: チョン・ソンイル
出演: シン・ハギュン、チョン・ユミ、キム・ヘナ、ムン・ジョンヒ、ヨジョ

cafenoir

[あらすじ]
悲しい愛に狂ったヨンス (シン・ハギュン) と彼が死ぬほど愛する女性ミヨン (ムン・ジョンヒ)、彼を死ぬほど愛するもう 1 人のミヨン (キム・ヘナ)、ヨンスが愛の傷を癒すために出会うことになるソナ (チョン・ユミ) とウナ (ヨジョ)。5 人の深い悲しみと愛を扱った映画。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


今年のプサン、1 本目は 「カフェ・ノワール」。

ああー、映画祭にやって来たなと実感した映画でした。この作品、映画祭でしか見られないのではないかと思います。一般上映はちょっとないような...

なぜなら、上映時間が半端じゃなく長いのです。チョン・ソンイル監督いわく、2 時間 78 分の映画だそうですが、要は、3 時間 18 分ってことです (笑)。見る前から上映時間が長いとは聞いていましたが、実感が湧かなかったのです。当日は、10:00 上映開始で、上映後の 1 時間の Q&A を含め、映画館を出たのが 14:30 でした。

以下、感想は、会場の通訳さんに英語で訳してもらった Q&A の内容 を交えて書きます。


いやいや、1 本目から濃厚すぎる時間。映画は全体に 2 部構成になっているため、ほぼ 2 本分の映画だと思えばいいのだと思います。

これほどまでに長いことに必然性があるのかどうかは問われそうですが、監督は、「前半は後半の描くための部分だ」 と仰っていました。前半と後半は別世界なのですが、ひとつにつながっています。

チョン・ソンイル監督は、評論家出身で、今回この作品で監督デビューされたそうです。この作品は試写会を除き、韓国内での一般観客へのお披露目はこれが初めてだったそうで、「みなさんが、最初の観客です」 と監督は仰っていました。

率直な感想は... とにかく難解、特にセリフが難解。

でも全体を通して、何を言いたかったかということは、よく分かりました。この作品がクランクインした頃は、確かタイトルが 「若きウェルテルの悩み」 だったと思いますが、前半は、ゲーテ作の 「若きウェルテル~」 とほぼ同ストーリーです。

後半が始まると、いきなり、「カフェ・ノワール」 のタイトルロールが出てくるのです。この演出にも、びっくりしました。えっ、ここから始まりなの?かと...

主役のシン・ハギュンは 「最初にシナリオをもらって読んだ時、よく理解できなかった。出来上がりを見てもまだよく分からない」 、「普通はシナリオを読むとどういう風に表現しようかと思い浮かぶけれど、この作品では、セリフをどのように表現しようかととても悩んだ」 と。チョン・ユミも同じようなことを言っていて、「シナリオをもらって読むとセリフが難しすぎて理解できず、監督にコメントを入れてもらった」 とか。

ハンバーガーを食べ始めるところから食べ終わるまでのシーン、カフェで 1人がずっとしゃべり続けているシーン、清渓川沿いの街並を延々と映すシーンなど、長まわしのシーンが多用されていました。

清渓川のシーンでは、清渓川の歴史的な移り変わりを風景として見せるような場面もあり、韓国の伝統や文化など、そういったものへの誘いも感じられましたが、それが、「若きウェルテル~」 とどうつながるのかと思ったり...。

ゲーテの 「若きウェルテル~」 では、主人公の自殺で終わってしまいますが、この作品のストーリーでは、自殺で終わらせず、その続編を綴っていますが、現在ソウル市内を流れる清渓川は 「再生」 のシンボルでもあるようで、それと重ね合わせているのかと見終わって納得しました。

ホン・サンス監督の作品の場面を引用しているようなところがあり、Q&A で観客からその点を指摘されると、「韓国映画の教養で見てほしい」 と。そんな意図もあったようです。

チョン・ソンイル監督は、今後も、文学や文化を通じた作品を作りたいそうです。

映画のタイトルから、カフェの美味しそうな料理や飲み物が並んでいそうなイメージとはほど遠く、とても哲学的です。この作品は、文学的にも、哲学的にも、映画論としても、あれこれと検分できる部分がたくさんありそうで、論文でもかけそうな勢いの作品です。

もう一度、セリフを確認したいなと思うのですが、また見るとなると、かなり根性がいるかもしれません。


cafenoir_greeting
上映後 Q&A にて 



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