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[PIFF 2009] 3. 「Of Love and Other Demons」

2009.10.16.Fri.22:09
「Of Love and Other Demons」

原題: Del amor y otros demonios (愛その他の悪霊について)
製作年: 2009 年
製作国: コスタリカ=コロンビア
監督: イルダ・イダルゴ
出演: パブロ・デルーキ、エリザ・トリアーナ、ホルディ・ダウデル

ofloveorotherdemons

[あらすじ]
狂犬に咬まれた侯爵の娘シエルバ (エリザ・トリアーナ) は、発病を怖れた父親によって修道院へ隔離される。狂犬病の発病はしていないのに、悪魔憑きの疑いをかけられる。悪魔祓いの命を受ける青年神父カエターノ (パブロ・デルーキ)。カエターノはシエルバに惹かれていく。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


この作品を見ようと思ったきっかけは、この作品がコロンビアのノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説 「愛その他の悪霊について」 を原作にしているという情報があったからでした。この釜山国際映画祭では、ワールド・プレミア作品として上映されました。

ガルシア・マルケス原作の映画といえば、少し前にみたハビエル・バルデム主演の 「コレラの時代の愛」 があり、比較するのも面白いかと思って興味深く見ました。

「コレラの時代の愛」 では、伝染病コレラ、この作品では狂犬病が作品の社会背景を象徴的に表しているようです。少女は、狂犬に噛まれただけで隔離されてしまうのですが、彼女の隔離先は修道院。でも、まるで牢屋のような場所です。

狂犬病が発症しないと分かった後、今度は教会から悪霊が憑いていると疑いをかけられ、自宅に戻れなくなってしまいます。白人の彼女は、黒人と手をつないで生活するなど当時の行動としては変わっていたことから、人々から奇異の目で見られ、悪霊憑きとみなされたのです。

悪霊祓いの名目で、教会は青年神父を少女の元へ派遣し、その結果、青年神父と少女が恋に堕ちていきます。

ここでは、この青年神父の存在によって、中世的な呪術感覚をひきづりながら、キリスト教の教義にすがろうとするも、何ら精神的解決を見出せない社会の不安定さと脆さを露呈しています。

聖職についていながら、少女に恋心を抱いてしまうこと自体が、悪魔に取り付かれてしまうということなのか。愛なのか悪魔なのかと。こういうことなのかなと。

映像は、官能的で幻想的でした。少女の腰まで届くカールしたロングの赤髪はとても美しいのに力強さを感じます。

ワタシは、原作を読んでいないので、よく分からないのですが、なんだか話の進展がストーレートすぎるような気がして、少し物足りなかったです。監督いわく、少女や少女の家族のバックグラウンドはほとんどカットしたそうです。

「コレラの時代の愛」 といい、この作品といい、ガルシア=マルケスの小説は、映像芸術家の芸術魂に常に刺激を与える存在のようですが、さて、実際の映画化となると、時間の制約やら、精神的な世界の描写の難しさなど、一筋縄ではいかないようですね。

はやく、ガルシア=マルケスの小説を読まなくては... (この前から言ってますが... 笑)。


以下、Q&A での内容の覚書です。

▼ この作品のファイナルカットの試写時に、原作者のガルシア=マルケスが同席したそうですが、終わってから 15 分間沈黙だったそうです。ようやく口を開いて、「この作品には、原作のエッセンスがある」 と言われたそうです。

▼ 扱っている素材はとても現実的なものなのに、幻想的なイメージがあるというギャップは、醜いものと美しいものを対比しているのだそうです。

▼ 小説を映画化するにあたっての監督の中でのプロセスは、まず自分自身で感じたこと、イメージを映画にどう投入させようかと考えることだそうです。必ず、自分の中を通過するというプロセスを取る。でも、現場で撮影に入る時には、原作も自分のイメージも忘れ去るのだそうです。

▼ 少女が愛する小動物や虫たちは、監督いわく、自然に近い存在、生きとし生けるものに直結する存在として描かれているそうです。


余談ですが、この Q&A はあまりスムーズなものではありませんでした。配給会社?の方なのか、担当者なのか、スペイン語が話せる韓国の方が通訳をしようとしたことがそもそもの間違いだったようです。プロの通訳ではないので、監督の言葉も観客の質問もすぐに忘れてしまって、まともにスペイン語⇔韓国語の通訳ができず、英語が堪能な監督は、「英語でやりましょうよ」 と仰っているのに、無理にスペイン語でやろうとして、観客はイライラ状態に。質問に立った韓国人の観客は、自分で英語に訳して質問していました。

そんなわけで、スペイン語、韓国語、英語の 3 ヶ国語が飛び交いながらの Q&A で、それはそれで個人的にはちょっと面白いなと思ったのですけどね^^;


director hilda
イルダ・イダルゴ監督

pablo
パブロ・デルーキ



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