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[PIFF 2009] 6. 「Night and Fog」

2009.10.21.Wed.23:38
「Night and Fog」

邦題: 夜と霧
原題: 天水圍的夜與霧
製作年: 2009 年
製作国: 香港
監督: アン・ホイ
出演: 任達華(サイモン・ヤム)、張静初(チャン・ジンチュウ)、羅慧娟(ジャクリーン・ロー)、覃恩美(エイミー・チャム)

nightandfog


[あらすじ]
釜山国際映画祭に続き、第 22 回東京国際映画祭 (TIFF) にて、「アン・ホイ Now & Then 」 という特集企画で上映されるため、TIFF の公式サイトを参照。

団地住まいのサムの一家は、大陸で知り合った妻と双子の娘の4人家族。定職ににつけないサムは妻に暴力を振るうようになり、思い余った妻は娘を連れて保護施設に逃れる。サムは執拗に追いかけ、ついに悲劇が...(引用: TIFF 公式プログラム)。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「天水圍」 は、香港の低所得者層の街。社会問題として、頻繁にメディアに取り上げられている街でもあるそうです。

この作品は、実際に起こった事件をベースに語れています。まず、事件発生、その後、当事者と関わった人々と警察との取調べから、時間を遡って物語が進みます。

とても悲惨な物語ですが、特に、現在経済発展著しい中国の暗い部分を映し出すアン・ホイ監督の人物描写は素晴らしく、社会的要素の強い作品です。

香港の中年男と大陸の若い女の夫婦の間に起こるドメスティック・バイオレンスの問題、社会保障の問題、貧困の問題、大陸と都会の生活差など、小さな家庭の中から、様々な社会の陰の部分が次から次へとあふれて出てくるような感じがします。

ジョニー・トー監督作品では、ノワール社会に生きる、ちょいワルおやじだったサイモン・ヤムが、パンツ一丁のどうしようもなくだらしなく、狂ったかと思うほど暴力的な夫を演じていて、憎たらしいほどでした。

しかしまた、やり場のない、行き場のない、悶々とした生活、閉塞感のはけ口を妻にしか向けられず、子供の目の前で妻に暴力を振るう夫の姿は、哀れでもありました。

保護施設と夫の間を行ったり来たりする妻の気持ちは、ちょっとわかりませんでした。あの狂った夫の顔を見たら、二度と戻りたくないと思うのですが。妻もまた、最貧困の大陸の田舎から身一つで都会に出てきたわけですから、身を寄せる所もなく頼る人もなかったのでしょう。

夫の暴力から逃れてくる妻たちの保護施設では、ソーシャルワーカーがいて夫婦の間を仲裁する役を負っていますが、こうした社会の仕組みも形骸化していることも、この作品の中で露呈されています。

この悲劇がいかにして起こったのか、起こるべくして起こったのか。主人公の夫婦を中心として、この夫婦を取り巻く人々の証言によって解き明かされていく過程で、痛ましい人間模様と社会のほころびが見事に映し出されています。

とにかく悲しい物語です。


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