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[PIFF 2009] 8. 「Fish Tank」

2009.10.26.Mon.23:46
「Fish Tank」

製作年: 2009 年
製作国: イギリス
監督: アンドレア・アーノルド
出演: マイケル・ファスベンダー、ケイティ・ジャーヴィス、カーストン・ウェアリング

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[あらすじ]
15 歳の少女ミア (ケイティ・ジャーヴィス) は、学校や友達からも厄介者扱いされる問題児。ある日、彼女の母親が新しいボーイフレンドのコナーを自宅に招き入れたことから、彼女の生活が変わり始める。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


この作品は、2009 年カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品され、審査員賞を受賞した作品です。

舞台はイギリスのエセックス。父親はおらず、母と妹の 3 人暮らしの 15 歳のミア。この家庭は、中流より下の階級だと思われます。

ミアは、母親とも友人とも人間関係がうまくいかず、孤独なティーンエージャー。あらゆるものに粗暴に当たりちらし、どこか精神的に不安定で、可哀想なぐらい傷つきやすく、脆くて壊れてしまいそうな心を抱えています。このミア役を演じたケイティ・ジャーヴィスはこの作品がデビューだそうですが、繊細な演技は見事ですね。

エセックスの風景は寂しげで、風が吹き、草木が揺れて、ミアの心の中をそのまま投影しているように見えました。

母親が連れてきたボーイフレンドのコナーに、父性を見い出したのか、あるいは異性への憧れを抱いてしまったのか。ミアはコナーに対して、父性と異性の両方とも感じてしまったのだと思います。だからこそミアの心が激しく揺れ動き、最初は単なる反抗期のティーンエージャだったミアが、頑なキャラクターから少しずつしなやかに、のびやかに変貌していくところが、非常に繊細に描かれています。

ミアだけでなく、ミアの周辺人物も含めて、この作品内の人物描写は、直截的なのに、だんだんと深みを増していくようなところがあります。人物に主眼を置き、人物を追っていくような感じもします。

また、このストーリーでは、家族の基盤というものについても鋭い切り口を持っているような気がします。ミアの家庭は母子家庭で、父親の不在がミアを不安定にしているようでもあります。そうした不安定さを補うかのように登場したコナーには実は妻子があり、閑静な新興住宅地に家を構えて一見して幸せそうに暮らしていたのです。こちらは典型的な中流家庭。こうした社会的階層のギャップも、徐々に描き出されています。

タイトルの 「Fish Tank」。水槽という意味ですが、最後にこのタイトルの意味がわかり、ミアの人生に温かい陽光が射すことを祈らずにはいられないような、そんな作品です。




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