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[PIFF 2009] 9. 「Wrong Rosary」

2009.10.27.Tue.01:10
「Wrong Rosary」

邦題: 二つのロザリオ
原題: Uzak Ihtimal
製作年: 2009 年
製作国: トルコ
監督: マフムト・ファズル・ジョシュクン
出演: ナーディル・サルパジャク、ギョルケム・イェルタン、エルサン・ウイザル

wrongrosary

[あらすじ]
釜山国際映画祭に続き、第 22 回東京国際映画祭 (TIFF) の World Cinema 部門にて上映。TIFF の公式サイトを参照。

ムサは人々へイスラム教の礼拝の呼びかけを行うムエジンと呼ばれる職に就いている。ある日、アパートの隣室に住むクララに恋をしてしまう。クララは、母親が出産後すぐに亡くなりカトリックの修道女に引き取られていた。そこに書籍収集家が現れ、ムエジンは助手として雇われることになる。(参照: TIFF 公式パンフレット)

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

2009 年ロッテルダム国際映画祭で最高賞を受賞した作品です。ほのぼの系コメディだと聞いていたので、是非観たいと思っていました。

この作品、TIFF でも上映されたのですが、英題の 「Wrong Rosary」 の邦題が 「二つのロザリオ」 となっているのは、なんだか違うような... 英題の直訳は 「ふさわしくないロザリオ」。原題は、トルコ語なので、よく分からないのですが、調べたところ 「逃したチャンス」 というような意味らしく、いずれにしろロザリオとは関係ないということは確認しました。

「ふさわしくないロザリオ」 が何を指しているかは、この作品を観れば分かるので、ネタバレは省きますが、さて、邦題のごとく 「二つの」 と言ってしまうと、果たしてイスラム教でもロザリオと呼ばれるものがあるのかと疑問に思いました。ロザリオはキリスト教で使用する数珠のような礼拝道具ですが、イスラム教でも似たような数珠の礼拝道具があり、それはマスバハとかタスビとか呼ばれるそうで、「二つのロザリオ」 という表現ははちょっとどうかなと思いますが...

そんな細かいことはともかくとして、この作品はなかなか良かったです。個人的には好きな作品です。ほのぼの系なので、がっつりではなく、控えめなコメディ色ですが、それによって作品の品の良さを保っている感じがします。

カトリック修道院で育てられた女性に恋をするイスラムの聖職者。トルコは歴史的に見ても多様な文化の上に成り立っている国で、宗教も混在する柔軟なお国柄であることが見てとれます。

この作品においても、宗教は対立要素として取り上げているわけではないのですが、宗教が引く心の中の境界線を男女が踏み越えられるかどうかと、境界線にたたずむ男女の姿を描いています。

ロマンスと言えるかどうかわからないほどの淡い恋物語ですが、男性は聖職者、女性は聖職者に近い人々と暮らしていることから、男女の問題には深入りできず、自制心が働いてしまってもおかしくありません。情熱的な告白や衝動に駆られた行為がちりばめられている訳でもなく、「いまどき、中学生でももうちょっとマシな恋愛ができるよ」 とツッコミが入りそうですが、この抑制の美しさは、現代の生活に見落としがちな美しさかもしれません。

ラストはね... ホロリとします。




 
コメント
直訳だと「遠い可能性」ですね>原題

tespihは「rosary」としか訳しようが無いので、それをさらに和訳すればロザリオになるのも仕方ないんでしょうけど、原題と「2つのロザリオ」という邦題から受ける印象はずいぶん違ってしまったわけで…

文化的背景に関する知識の無い人間が、重訳という安易な手段に頼った結果の「大間違い」だと、私は思ってます。
Re: タイトルなし
2009/10/27 Tue 14:44 にコメントしてくださった方へ

コメントありがとうございます。

> 直訳だと「遠い可能性」ですね>原題
> tespihは「rosary」としか訳しようが無いので、それをさらに和訳すればロザリオになるのも仕方ないんでしょうけど、原題と「2つのロザリオ」という邦題から受ける印象はずいぶん違ってしまったわけで…

なるほど。教えていただきありがとうございます。
あの場面を見て、 2 つのロザリオという言い方にとても違和感があったのですが、重訳という問題が潜んでいたのですね。


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