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[TIFF 2009] 「激情」

2009.10.31.Sat.19:22
「激情」

原題: Rabia
製作年: 2009 年
製作国: スペイン=コロンビア
監督: セバスチャン・コルデロ
出演 グスタボ・サンチェス・パラ、マルチナ・ガルシア、ハビエル・エロリアガ、コンチャ・ベラスコ


rabia


[あらすじ] (引用: TIFF 公式パンフレットより)
移民の建設作業員ホセ・マリア ( グスタボ・サンチェス・パラ) は、ガールフレンドのローサ (マルチナ・ガルシア) が家政婦をしている老夫婦の古い屋敷で数日を過ごしていた。ある日ホセは建設現場の監督と対立し、殺害してしまう。老夫婦の屋敷に逃げ込み、使われていない屋根裏部屋に身を隠したホセは、息を殺し、幽霊のようにローサの日常を見ながらひっそりと毎日を過ごすのだが...

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


TIFF での 1 本目は 「激情」 です。今回の TIFF では、コンペ部門に2本のスペイン語圏作品が入っていたので、楽しみにしていました。

内容は、一言で表現するなら、とにかく濃い!!何が濃いかと言うと、人が人を想う心であったり、人が守るべきものへの執着であったり。主人公ホセ・マリアの気迫も伝わってきて...。

殺人事件が起きるため、次は何が起こるかとハラハラするサスペンス風になったり、また、究極の純愛ラブストーリーとも言えます。一見、こうしたサスペンスやロマンスのように見えていて、実はこの作品の根底には、スペインの抱える社会問題、ここでは移民の問題ですが、そうしたものがどんと根を据えています。

これまでにワタシが見てきたスペイン語圏の作品には社会派が多いということは以前書きましたが、この作品も、社会を大きく捉える視点というものを備えていたと思います。

邦題は 「激情」 ですが、原題の意味は、憤怒とか怒りに近い感情のことを指します。主人公のホセ・マリアは、守りたいと思っている恋人や個人の尊厳を傷つけられ、言いようのない怒りを感じるわけですが、その矛先は理不尽な社会に対する怒りでもあるような気がします。

豪邸に隠れ住むホセ・マリアとローサの強い絆とは対照的に、豪邸に住む家族の関係は希薄で、どこか寒々しいのです。こうした人間関係の描写が、活き活きとしていました。

記者会見で監督が語っておられますが、この作品には原作がありそれを監督自ら脚色されたそうです。原作では家の中に主人公が隠れ住んだ長さは 4 年だそうで、その年月だと映画のストーリーとして成立しずらいので、短い期間にしたそうです。映画の印象もかなり壮絶ですが、原作では 4 年だと聞き、さらにもっと深くて壮絶な物語だったのかと、興味深いです。

豪邸に隠れ住むホセ・マリア役のグスタボ・サンチェス・パラは、ストーリーが進むにつれどんどん痩せ細っていき、最初と最後では見違えるほど体型や顔の造りが変わってしまうのですが、なんと、これは、後ろから時間を遡って撮影したそうです。いったん痩せてから、体型を元に戻していくというふうに...。

それを聞いて驚きました。この役者さん、凄いですよね。ホセ・マリアはどんどん追い詰められていく役柄なのに、時間を巻き戻して撮影しながら、どうやって感情とか心理描写のコントロールしたのかぜひ聞いてみたいです。

また、セットでなく、本物の屋敷を使って撮影したのもこだわりがあったそうですが、確かに、家の廊下や階段など空間の見せ方も面白かったです。

今回の TIFF では、審査員特別賞を受賞。


参考: TIFF 公式サイト : コンペティション部門『激情』記者会見 10/18(日)


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