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母の舞いは続く

2009.11.11.Wed.23:31
「母なる証明」

原題: 마더 (マザー)
製作年: 2009 年
製作国: 韓国
監督: ポン・ジュノ
出演: キム・ヘジャ、ウォンビン、チング、ユン・ジェムン、チョン・ミソン

mother

[あらすじ] (参照: goo 映画
漢方薬店で働く母 (キム・ヘジャ) は、子供の心を持ったまま純粋無垢に育った一人息子トジュン (ウォンビン) と静かに暮らしていた。ある日、街で女子高生が惨殺される事件が起こり、トジュンが第一容疑者になってしまう。事件の解決を急ぐ警察は、乏しい物証にも関わらずトジュンを犯人と決めつける。無能な弁護人も頼りにならない中、母は自分の手で真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとするのだが...


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


オープニングは、草むらでの母のダンスから始まりました。このダンスが意図するものは何?と、いきなり胸ぐらをつかまれたような場面でしたが、このダンスの理由はきっちり解き明かされます。

母子愛、韓流スター登場... とくると、お涙チョウダイじゃないわよね~。まさか、まさか、ポン・ジュノ監督がそんなベタな話を作るわけもなく...

母は強し... いえいえ、そんな甘いものではありません。母は怖ろし.. です。

スクリーンからにじみ出てくる重厚感というか重層感というか重圧感に押されっぱなしの濃厚なストーリーでした。

殺人事件なんて滅多に起こらない田舎で起こった殺人事件。

韓国特有のジメジメした陰湿な、閉鎖的なローカルな街が舞台。

社会的弱者と呼ばれる子供とその母親は緊密すぎる母子関係。

マトモな捜査もできない警察。有力者と呼ばれる弁護士、病院長、検事たちの腐敗にまみれた姿。正義を掲げた公共システムの暗部。

サスペンス、ミステリーから、社会的な視点、ヒューマンドラマ、そしてコミカルな部分と、こうしたいろいろな要素ががっつりと幾重の層になって迫ってくる感じでした。

エピソードの小さな断片のひとつひとつが、すべて最後に一本の糸に繋がっていきます。きめ細かくて、カチッと納得のいくような構成だと思いました。ただ、これが決め手だとは断言できたわけではありませんが、直感的には展開が読めるところもありましたが,,,

カメラワークも、母親の視点をうまくとらえていました。印象的だったのは、キム・ヘジャが流した涙、それも、息子トジュンのために流した涙ではなくて、両親のいない子のために流した涙。その姿をカメラがさーーっと引いていくシーンはなんとも言えないシーンでした。

キャストは言うことありません。圧巻は、母役のキム・ヘジャ。ドラマ 「宮」 で、ほんわかした心優しい皇太后役を演じていたあのイメージからはほど遠く、溺愛する息子のために狂わんばかりに奔走する母役を怪演。歩き方ひとつをとっても、投げかける視線ひとつをとっても、何かが乗り移ったかのような凄みのある演技でした。

ウォンビン、お久しぶり。 「小鹿のような目」 は健在。 ポン・ジュノ監督にとっては 「初めて起用したイケメン俳優」 だったらしいです (笑)。このトジュン役は、少し頭が足りなくて、親が目を離せない子供のような大人。難しい役柄だと思いますが、わざとらしさはどこにもなく上手かったですね。

「甘い人生」、「卑劣な街」 に続き、チンピラ役がハマリ役になりつつあるチング。悪い子なんだか良い子なんだか...犯人探しに協力的なんだか、脅かしているんだか、とても曖昧な存在なのですが、トジュンと母をつなぐ 'つなぎ' 役で、存在感ありました。


母は舞わずにはいられないのです。舞わずには生きていけない...母の舞いは哀しいです。

 
★★★★☆ (4.5/5)



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