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[スペイン映画祭] 「悲しみのミルク」

2009.12.14.Mon.23:17
「悲しみのミルク」

原題: La tete asustada
製作国: ペルー / スペイン
製作年: 2009 年
監督: クラウディア・リョサ
出演: マガリ・ソリエル、 マリノ・バジョン、スシ・サンチェス、エフライン・ソリス

tete_poster

[あらすじ] (参照: 2009 スペイン映画祭 公式サイト
ファウスタ (マガリ・ソリエル) は 「悲しみのミルク症候群」 という、ペルーにテロが多発した時代にレイプや暴行を受けた女性の子供たちが、母乳を通して感染する病に罹っている。突然の母の死で、メイドとして働き始めるファウスタは 「怖れの病」 と向き合うことになる。

2009 年 ベルリン国際映画祭金熊賞・国際批評家連盟賞

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


今年の釜山国際映画祭でも、東京 FILMeX でも見逃した作品。ようやくこの映画祭で見ることができて良かったです。釜山では、たしか監督が来韓していて Q&A もあったはず。あの時、こちらを見るべきでした...。釜山って、ホントに見所満載の映画祭なんだなぁとつくづく~。

さて、この作品は、「1980 ~ 2000 年にペルー農村部を襲ったゲリラによるテロがもたらしたトラウマを静かに描いた作品 (by 東京 FILMeX)」です。ペルーの内戦で母親はレイプに遭い、その恐怖のトラウマは母乳を通じて、生まれてきた女の子に移るというのです。釜山の時も、この作品の解説を読んで、自分には合わないかも...と思って見なかったのですが、食わず嫌いでしたね。

ペルーで実際に起こったテロの悲しみ、歴史の負の部分を、母から娘へとこうした形で受け継がせる皮肉が強烈です。

ファウスタの母親は、ゲリラに陵辱されたという身の上話を、そのまま詩に乗せて歌うのですが、暗くて、重い、悲しみの淵に突き落とされるような、どよーんとした気分にさせられます。

母が死んでもお金がなく葬儀も出せないファウストは、葬儀代を得るために金持ちの家にメイドとして働くのですが、このことで、受け継いだトラウマと彼女が向き合うようになります。歌と詩は、主人公ファウストの自己表現の手段でもあり、この作品が実に詩的で活き活きとしていて、物語を読み聞かせるような響きがあります。

山村に住む貧困層の人々の日常では、男性を受け入れることのできないファウストとは違って、ファウストの従姉妹を初め、若い男女が次々と結ばれていく結婚式が印象的に描かれています。渇いた土地に映える鮮やかな色が、ファウストの暗い表情と対照的です。

ファウスト自身は、内戦によって何かされたわけでもないので、母親から受け継いでしまった恐怖心は、単なる心の病として周囲からはなかなか理解されません。彼女が少しずつ自分に向き合うという小さなステップは、実は、歴史とどう向き合うか、過去の負のしがらみからどう脱却するか、そうした疑問に対して道筋を見つけるためのステップだったのではないかと思え、深い味わいのある作品だったと思います。



コメント
味わい深ーい
はじめまして。こんにちは。
これ、とても素晴らしい映画でしたよね。
劇場鑑賞することができて本当によかったです。
数々の詩的なシーンが印象的でした。
こういうのを観ることができる映画祭っていいですよねー。
ほんと詩的でしたね
かえるさん、はじめまして。コメントありがとうございます。レス遅くなりました。

ファウストや彼女の母親が歌う歌のメロディラインは、素朴な節まわしで哀しみがあふれていたのに、ワタシは少しファンタジックなものも感じました。かなり重たい内容だったようですが。

この作品、3 度目のチャンスでようやく見ることができたのですが、見ておいて良かったと思いました。

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