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絆の確認 「ずっとあなたを愛してる」

2010.01.07.Thu.22:33
「ずっとあなたを愛してる」

原題: IL YA LONGTEMPS QUE JE TAIME
製作年: 2008 年
製作国: フランス / ドイツ
監督: フィリップ・クローデル
出演: クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・グレヴィル、フレデリック・ピエロ

zuttoanatawo

[あらすじ] (参照: Movie Walker
15 年の刑期を終えたジュリエット (クリスティン・スコット・トーマス) は、妹のレア (エルザ・ジルベルスタイン) と再会するが、どことなくぎこちない。レアはナンシーに移り住み、大学に就職し結婚もした。ジュリエットはレアの家で、レアの夫リュック (セルジュ・アザナヴィシウス)、病気で口が利けなくなったレアの義父、そしてベトナムから迎え入れた養女のプチ・リスことクレリス (リズ・セギュ-ル) と幼いアメリア (リリー=ローズ) と暮らし始める。ジュリエットは、罪を犯した理由を決して誰にも語らなかった。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

この作品はネタバレしてしまうと、作品の流れや空気を損なってしまいそうで、話の筋にはあまり触れたくないと思うのですが...

もしご覧になる予定がある方は、この先はお読みにならないほうがいいかもしれません。




カフェでジュリエットがどことなく不機嫌そうで、投げやりで、何かもかも諦めているかのような表情で座っている場面から始まります。誰かを待っているのか、そうでないのか、一体何をしようとしているのかと次々と疑問が湧いてきます。

ジュリエットを迎えに来たレナとの関係も、それぞれの状況もさっぱりわからない状態から、だんだんとこの姉妹の関係が明らかになり、ジュリエットがレナを通して再出発していく姿が描かれています。

ジュリエットが刑務所に収監されていたというのも、うすうすわかってきます。たとえば刑務所が回想場面で映し出されてたりすることもなく、会話の中で状況が拾われていく感じがしました。そして、どのような罪を犯したのか、なぜ罪を犯さなければならなかったのか... それも観客にはしばらく伏せられたまま話は続くのですが、それもじわじわと明らかになっていきます。

フィリップ・クローデル監督は、小説家として名を馳せており、この作品の原作者でもあるそうです。何もかも吐き出してしまわず、寡黙な中に光る言葉とか、躊躇や諦めの中から駆け出す力とか、ツボを抑えたような描き方になっています。「吐き出す」 ことは、実はこの作品で重要なステップになるようです。

ジュリエット役のクリスティン・スコット・トーマスは素晴らしい演技です。言葉に出てこないもの、セットや背景で映し出されないものを、全身の雰囲気、態度、表情で、ジュリエットのそれまでの人生をすべてを語るという難役なのではないでしょうか。ワタシも、彼女の表情を見ているだけで、何を言わんとするか読み取れることができ、不思議な体験をしました。

そして、家族の絆についても深い味わいがあります。

レナが一緒に暮らす家族では、娘や養子であるし、また実の親ではなく夫の親と同居。レナにとって、他人だらけの家に、唯一の血縁としてジュリエットを迎えるわけです。

犯罪者の姉を忘れるように生きていたレナが、その姉が不在だった時間を取り戻そうとする過程で、「幼い頃の記憶があるから」 互いの絆を確かめることができるというようなセリフがあるのですが、そこで、ワタシは幼い頃にワタシの後をペタペタとついて歩く妹の屈託のない笑顔がふっとよみがえって、思わずぼろぼろと涙があふれてしまいました。

そういえば親子の絆や男女の絆のような話はよく見るけれど、姉妹の話は久しぶりかな。姉妹の話だから、より一層すっと心に沁みこんだのかもしれません。

自分がつながっている絆は、どんな絆だろうかとじっくり確認できるような、そんな作品です。





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