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精霊が見えますか? 「ミツバチのささやき」

2010.02.01.Mon.17:31
「ミツバチのささやき」

原題: El espiritu de la colmena
製作年: 1973 年
製作国: スペイン
監督: ビクトル・エリセ
出演: アナ・トレント、イサベル・テリェリア、フェルナンド・フェルナン・ゴメス、テレサ・ジンペラ

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[あらすじ] (参照: goo 映画
スペイン内戦がフランコの勝利に終結した直後、1940 年の中部カスティーリャの小さな村。1 台の移動巡回映写トラックが村へ入っていく。映画は 「フランケンシュタイン」。村の子供も大人もこぞって映写会場へ。その中に、アナ (アナ・トレント) と姉のイザベル (イザベル・テリェリア)がいた。姉妹の父フェルナンド (フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は養蜂場でミツバチの巣箱を点検する作業をしている。母のテレサ (テレサ・ジンペラ) は、部屋で手紙に書き綴っている。その夜、アナは昼間に観たフランケンシュタインが気になって仕方がない。姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村のはずれの一軒家に隠れていると聞かされ、さっそく翌日、学校の帰りにアナはイサベルとともに村のはずれの一軒家に行く。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ようやく新文芸座にてスクリーン鑑賞ができました。当日、超満員! 見終わって映画館を出ると、まだ長蛇の列。たった 1 日だけの上映ですから。早い時間に行っておいてヨカッタ。場内、男性陣が多いのにびっくり。70% ぐらいは男性だったかしら。

「ミツバチのささやき」 という邦題から推測するに、ミツバチがぶんぶん飛ぶ、自然との共生を描いた映画ではありません (笑)。原題は、ミツバチの巣箱の精霊 (colmena = ミツバチの巣箱、espiritu = 精霊) という意味。

事前知識は、スペイン内戦直後の話というぐらいだったのですが、スペイン内戦、それに続くフランコ政権がスペインの人々の心にどれほどまでの傷をもたらしているかということを、直接的な傷跡としてではなく、遠回りにほんのりにおわせた作品のようです。スペイン内戦に詳しくなくても、なんとなく匂いが気になります。

カスティーリャ地方の田舎の村の中は、なんだか荒れ果てているように見えます。内戦の傷跡そのものなのか、心象風景なのか。

村へやってきた巡回映写の映画が 「フランケンシュタイン」(1931 年 アメリカ) だったのですが、大人でもモノクロで見ると、ゴシックホラーのおぞましさを感じるのですが、無邪気な子供の目にどう映るのかが、この作品のカギのようでもあります。

イザベルは妹アナに、フランケンシュタインは精霊だと言い、アナはそれを信じこませます。イザベルは、フランケンシュタインなんて作り物だと気付いているようでいながら、どこか子供の心が残っているような部分があります。精霊だと信じて疑わなければ、怖れも知らない、その純粋なアナの好奇心が、大人には眩しいほどです。

大人の世界、姉イザベルの世界、アナの世界。この世界は、成長とともに重なりあいながら、ずれていくようです。

精霊だと思っていたフランケンシュタインを、その後、成長したアナはどう思うのでしょうか。フランケンシュタインは、ちょうど 「思想」 や 「イデオロギー」 のようなものに思えました。己が未熟なときは、精霊のごとき夢や空想上の存在なのに、やがて作りものでないかと疑い始め、そして成熟すると 「人間の心が作り出した敵」 であることに気付くような、そんな象徴的な存在なのではないかと思いました。

ともあれ、アナの愛くるしい黒い瞳に魅せられることは間違いありません。



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