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五感を磨くヴァカンス 「オルエットの方へ」

2010.02.14.Sun.04:26
ジャック・ロジエのヴァカンス
「オルエットの方へ」

原題: Du côté d'Orouët
製作年: 1969~71 年
製作国: フランス
監督: ジャック・ロジエ

orouet

[あらすじ] (引用: ユーロスペース
9 月初め、キャロリーヌとジョエルとカリーンは、海辺の別荘へ気ままなヴァカンスに出かける。女だけの生活を楽しむ 3 人は、ある日ジョエルの上司のジルベールと偶然港で出会う。以前から彼女に思いを寄せていた彼は、別荘の庭にテントを張らせてもらうが、彼女たちから粗末な扱いを受けることに。一方、海からの帰りに知り合ったパトリックと、一緒にヨットに乗ったり、乗馬をしたりするうちに 5 人の関係は変化して…。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


9 月の海辺は肌寒そう。海の水だって冷たそう。人気のない遅ればせながらのヴァカンス。

海辺のヴァカンスといっても、そこにあるのは、まばゆいばかりに燦燦と降り注ぐ夏の陽光ではなくて、海に沈む夕陽のやんわりとした初秋の光。

18 日間にわたる女だけのヴァカンス。うらやましいほどの長いヴァカンス。彼女たちの 1 日、1 日を日めくりのように見せてくれます。あっ、この手法、どこかで観ました。この辺りの影響を受けた作品だったのかと。

アバンチュールに忙しいわけでもなく、食べ歩きをするわけでもなく、ただひたすら海風を浴びながら、波の音を聞きながら過ごす日々。

たまに来客もあるし、ナイスガイの出現もあって、ニョロニョロするウナギも登場し、それなりに事件はあるけれど、事件らしい事件はほとんど起きません。彼女たち、箸がころんでもおかしい年頃よりもっと年上だと思うのですが、木靴を履いてきゃっきゃとはしゃぐ姿は子供がえりのように見えます。取れたて野菜みたいな彼女たち。

カメラの目線を追うのもなかなか面白いです。ひとりの女の子が浜辺にやってくると、カゴからタオルを出し、砂の上にタオルのしわが出ないように敷いて、ビキニの上を取って、背中を太陽にさらして、横になる... この単純な一連の所作をずっとカメラが追っていくわけです。

ヨットの場面になると、風が吹きつけ、波に揺れて、海水は冷たく、さらにダイナミックで臨場感があるのです。ジルベールが時間をかけて魚の煮込み料理を作っていく過程も、魚の匂いやたちこめる湯気が、すぐ鼻先まで伝わってきそうなぐらいでした。おいしそうだったなぁ。ひとつひとつのシーンが愛おしいですね。

別荘へやって来たときはあれほど仲良くはしゃいでいた 3 人も、ヴァカンスが終わる頃には、3 人の関係が微妙に変化しているのも、なんとも見事。

ヴァカンスってひたすら五感を磨くためにあるんじゃないかと思ったりします。


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