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オトナの事情 「THIS IS ENGLAND」

2010.04.04.Sun.17:32
DVD 鑑賞
「THIS IS ENGLAND」

原題: THIS IS ENGLAND
製作年: 2006 年
製作国: イギリス
監督:シェーン・メドウズ
出演:トーマス・ターグーズ、スティーヴン・グラハム、ジョー・ハートリー、アンドリュー・シム、ヴィッキー・マクルーア、 ジョセフ・ギルガン

this_is_england

[あらすじ] (参照: Movie Walker
1983年、サッチャー政権下のイギリス。フォークランド紛争で父親を亡くしたいじめられっ子のショーン (トーマス・ターグーズ) は、ふとしたことからスキンヘッズの不良グループと仲良くなる。彼らと同じようなファッションに身を包み、ヘアスタイルもスキンヘッドにする。そんなある日、彼らのリーダーだった男コンボ (スティーヴン・グラハム) が刑務所から出所し、グループの事態は一変する。コンボはイギリス社会に不満を抱き、次第にネオナチ思想に傾倒してゆく。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


なぜか面白そうだと勘違いして見てしまったのですが、よくよく考えてみたら、タイトルが暗示していたのでした。暗く、重たく、深刻な社会派ドラマ。「鉄の女」 サッチャー政権下、フォークランド紛争で不安定なイギリス社会を背景に、イギリスの抱える負の部分を搾り出すような作品でした。

この作品の主人公ショーンにとって、父親がフォークランド紛争で死亡したという事実が、彼を荒れさせる心の傷となっているのではないでしょうか。国のために命を落とした父親を誇りに思う一方で、なぜ父親が死ななければならなかったのか、幼すぎて理解できず、また受け入れることもできていないのだと思います。

ショーンの母親を通してそういうものが見えてくるのです。ショーンの母親は、残されたショーンを静かに見守っていますが、どこか心そこにあらず、呆然とした表情なのです。大人でさえ受け入れることがなかなか難しい状況で、母親の表情や態度を敏感に感じ取り、子供なりにもがき苦しんでいるように見えました。ただ子供なので、どれほどの意識があるのかどうかは見えませんが。

ショーンのもがく様子は、移民問題、労働者階級の葛藤、ナショナリズムへの傾倒などのイギリス社会が抱える問題が底辺から揺さぶられていて、イギリスが目指すべきの道を見つけるのにもがき苦しむ姿と重なって見えるのです。

でも、ショーンが、悪ガキたちとふざけているうちはともかく、不満の捌け口を過激な人種偏見イデオロギーに求めるワルな大人たちと行動を共にしようとするところなどは、それが何を意図しているのか、ショーン自身が理解できないまま、無理矢理、ショーンに衝撃的かつ陳腐なオトナの事情を押し付けている様相にしか見えませんでした。

有色人種や移民に対する排他的運動は、今でも欧州全体で社会問題になっていると思いますが、この作品がそうした大きなうねりを代弁するほど、何か胸に響いてくるものがあったかというと、正直、そういうものはありませんでした。ただ物足りさなが残る作品でした。

最後に、ショーンが父親の軍服姿の写真を母親と一緒に眺めて、「この写真が好き」 というのを見てホッとしました。父親の死を少しは受け入れることができたのでしょうか...。


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