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繊細なロードムービー 「百万円と苦虫女」

2010.04.16.Fri.03:02
TV で鑑賞
「百万円と苦虫女」

製作年: 2008 年
製作国: 日本
監督: タナダユキ
出演: 蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成、笹野高史、佐々木すみ江

100manen

[あらすじ] (参照: Movie Walker
短大を卒業後、就職に失敗した鈴子 (蒼井優) は、友人からルームシェアを持ちかけられ話に乗ったものの、ちょっとした事件を起こして刑事告訴されてしまう。家族からも、周囲からも冷たい視線を浴びた鈴子は「百万円貯めたら家を出る」と宣言。やがてやがて百万円の貯金とともに家を出て、海の家で働くことに。だが鈴子はそこでも貯金が百万円貯まると、自分のことを知らない土地へ転々とする。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ちょっとした小さな事件を起こして、社会から白い目で見られることに耐えられず家を出る鈴子。起こした事件は鈴子なりに大儀があったのですが、鈴子は、自分は悪いことをしていないのだから堂々としていたいと思いながらも、社会が彼女を受け入れないことに、閉塞感、嫌悪感、失望感を感じ取ってしまったように見えました。

社会へ出たばかりの鈴子にとって、世間はこれほどまでに冷たく、決して甘くないということは、想像を超えていたのではないでしょうか。だから、人と関わることをできるだけ避け、人となんらかのつながりが持てるようになると距離を置こうとするのです。

鈴子が他人との間におく距離は、土地を転々とするうちにだんだん変わっていきます。転々とする土地も、最初は海辺、次に農村、そして都会と... 自分の殻に閉じこもっていて、一瞬、後ろ向きのように見えるのですが、自分と自分が置かれているコミュニティとの距離をしっかり見つめようとしていて、実は前向きというところが良かったです。

自分を知らない土地へと転々とするなんて、ある意味、勇気が必要だと私は思います。ですから、鈴子は、人と交わらずに生きていくことはできないことはわかっているのだろうし、彼女自身、決して周囲のすべての人を否定しているわけでもないようで、ただ、世間や社会との距離感がつかめきれず戸惑っているように見えました。

知らない土地で恋に落ち、好きな人に少しずつ自分を解放していく過程は、とても繊細でキラキラ輝くように描かれています。

単なる自分探しの旅ではなくて、社会と向き合う自分を見つける旅とでもいいましょうか。

そして、鈴子が社会の目と格闘する姿と並行して、鈴子の弟拓也も、いじめと格闘する姿が描かれていて、拓也のいじめに敢然と立ち向かおうとする過程もリアルでした。鈴子と拓也の手紙のやりとりは、なんとも微笑ましくて、優しい気持ちになれました。

ラストもいいですね~。あれは、本当のところどうなっているのか思わせぶりでしたが...

蒼井優は、繊細ながらもどこかピンと背中が伸びた女の子をとても丁寧に演じています。心に残るロードムービーでした。






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