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リアル x シュール 「トウキョウソナタ」

2010.04.16.Fri.09:50
TV で鑑賞
「トウキョウソナタ」

製作年: 2008 年
製作国: 日本 = オランダ = 香港
監督: 黒澤 清
出演: 香川照之、小泉今日子、小柳友、井之脇海、井川遥、津田寛治、役所広司

tokyosonata

[あらすじ] (参照: Movie Walker
東京。4 人 家族の佐々木家は、ごく平凡な家庭である。小学 6 年生の次男・健二 (井之脇海) は、家族に隠れてピアノを習っている。そして、父・竜平 (香川照之) は会社からリストラされ家族に打ち明けられない。長男・貴 (小柳友) はバイトに明け暮れながら自分の道を模索中。母・恵 (小泉今日子) は退屈な主婦。この家族に異変が起こる。

2008 年カンヌ国際映画祭“ある視点”部門 審査員賞 受賞

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


崩壊寸前の家族、不安な社会。家族の絆が、今にもプッツリと切れてしまいそうな危うさがとてもリアルに描かれています。冒頭のシーンで、雨風が窓から家に入り込むところが映しだされ、母・恵が一旦濡れた所を拭いたにもかかわらず、もういちど窓をあけて雨風に身をさらしたりするところに、何かが、この家族に起こることを予感させます。

家族の誰かがが、何か突拍子もないことを考えていたり、隠し事をしていたり、伝えられない言葉を抱えていたりしていても、家族だからという理由だけで、他の誰かが必ずそれに気付くことができるとか、理解しあえるというわけではありません。家族であっても、同じ価値観を共有しているとは限らないし、理解したいと思っていても理解のレベルが異なったり、家族であるからこそのすれ違いや誤解だってあります。

この佐々木家は、互いに分断状態というわけではありません。父親も母親も愛情を注いで子供たちを育ててきたことは見て取れます。でも、どんなに強固な絆だと思っていても、ある日、突然切れそうになるほど脆いものなのかもしれません。

この家族の場合、運悪く(笑)、それぞれが歩むべき道や目的を見つけようとした瞬間が、たまたま同時にやってきたということのようです。

父・竜平はリストラされ失意ながらも仕事を見つけるということ、長男・貴は日本を脱出すること、次男・健二はピアノを習うこと、母・恵はどうしようもない倦怠感から抜け出したいということ。そんなそれぞれの思惑が、バラバラに動き出してしまうのです。

リアル感があるのに、リアル感が吹き飛んでいるようなところもありました。母・恵が泥棒にに海辺の小屋に連れて行かれ、そこでの 2 人のやり取りの場面は、アングラ劇場で演劇の一場面を見ているような、妙にシュールな雰囲気が漂っていました。母・恵が何かから抜け出して遠くへ行くことを願っているような心の逃避行を、意図的に描いているように思えます。

ラストは、とても都合よく収まりすぎているのですが、やはり失望や現実の痛みだけを食べて人間は生きていけないし、希望があれば、収まらないと思っていることも収まるということも確認できたような気がします。


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