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荒んだ心に沁みる 「獄に咲く花」

2010.04.23.Fri.16:53
「獄に咲く花」

製作年: 2009 年
製作国: 日本
監督: 石原 興
出演: 近衛はな、前田倫良、目黒祐樹、赤座美代子、池内万作、勝村政信、仁科貴、本田博太郎、神山繁


hitoya

[あらすじ]公式サイト
舞台は、時代が大きく変わろうとしていた江戸時代末期。安政元年、ペリー来航時に国外密航を企てた吉田寅次郎 (前田倫良)、後の吉田松陰が、長州萩にある野山獄に送られてきた。生きて出られるものはいないと言われていた野山獄。唯一の女囚である高須久 (近衛はな) や獄中暮らしに希望を失っていた罪人たちは、次第に寅次郎に影響をうけていく。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


この作品は、吉田松陰生誕 180 周年を記念して作られたものだそうです。おりしも、NHK 大河ドラマ 「龍馬伝」 のおかげで幕末ブームでもある昨今。

そういえば、ペリーの黒船で国外へ密航しようとしたあの無謀な若者は、その後、どうなったのかとずっと気になっていました。30 歳という若さで亡くなっているにもかかわらず、吉田松陰という名は日本の歴史を語る上で燦然と輝いているのは、なぜかしらということも気になっていました。密航を企て捕らえられた後、故郷の牢獄につながれていたのですね。

その牢獄、野山獄は士族の罪人がつながれるところで、その獄中生活にはかなりの自由が認められていたようで、男も女も同じ牢獄で分け隔てがないというのも驚きでした。

吉田松蔭が野山獄でなしたことは、学問をすることは己の心を豊かにすることだと主張し、心の荒んだ罪人たちにも、罪人なりの人生の送り方を教えたことでしょうか。ワタシの中で確固たる吉田松陰像というものがなかったので、とても新鮮な吉田松陰でした。

過激な思想を持っていたため、幕府から要注意人物として目をつけられ、安政の大獄で処刑されてしまうのですが、30 年とはあまりに短い人生。そんなに生き急がなくとも、もっと契機を慎重に見極めていれば、そんなに短い人生で終わることもなかったであろうにと思ってしまいました。でも、何しろ黒船を見て、いてもたってもいられず乗り込もうとしたぐらいですから、この人物には 「血気盛んな」 という修飾語がぴったりなのかもしれません。

何をそんなに急いでいたのか...

この作品は、演劇仕立てそのもの。牢獄のセットは、舞台上に載せられているかのような奥行き感のあるセットで、またセリフまわしは、いかにも演劇っぽく誇張されたトーンになっています。また、外の明るさと獄内の暗さが、モノトーンのように浮かび上がって、飾り気のなさも手伝ってメリハリが効いています。

獄中の松蔭と久のラブライン (?) は官能とはほど遠く儚げで、ギシギシと軋む牢獄のセットのむき出し感とよくマッチしていました。

吉田松陰を正面からガッツリ描いたという感じはありません。ただ、黒船に乗り込もうとしたという事件そのものの大胆さよりも、その後の小さなエピソードから、荒んだ心に水をやって花を咲かせる純粋さとでもいいますか、タイトルどおりの印象を受けました。





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