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[イタリア映画祭2010] 「コズモナウタ - 宇宙飛行士」

2010.05.08.Sat.23:57
「コズモナウタ - 宇宙飛行士」

原題: Cosmonauta
製作年: 2009 年
製作国: イタリア
監督: スザンナ・ニッキャレッリ
出演: Miriana Raschillà、Angelo Orlando、Susanna Nicchiarelli、Pietro Del Giudice、セルジオ・ルビーニ


cosmonauta

[あらすじ] (参照: イタリア映画祭 2010 公式サイト
1950、60 年代、風変わりでてんかんの持病のある兄アルトゥーロ (Pietro Del Giudice) と大胆で活発な妹ルチャーナ (Miriana Raschillà) は、共産主義を信奉し、コズモナウタ (ソ連の宇宙飛行士) に憧れる仲の良い兄弟だった。だが、異性の目が気になる 10 代半ばという年頃になった妹は、兄から距離を取り始める。ルチャーナは、父親の影響もあり、初恋の男性との共産主義の活動にのめりこんでいく。

2009 年ヴェネチア国際映画祭 コントロカンポ・イタリアーノ賞

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


タイトルからして宇宙飛行士を目指す女性の話かと思っていたら、全く違うものでした。この作品は、昨年のプサン国際映画祭で見ようかどうか迷って、結局見なかったので後悔した作品。

青少年少女による共産主義活動にスポットを当てるという点では、とても風変わりな作品でしたが、政治的な話ではありません。少女の憧れの対象がソ連の cosmonauta コズモナウタであって、米国の astronaut アストロナウトであるところに、少女の共産主義への傾倒ぶりがあらわれていて面白いです。

スザンナ・ニッキャレッリ監督は、米国による月面着陸という偉業が樹立されたことによって、そこにたどりつくまでのソ連の宇宙開発の足跡があまり知られていないため、そうした歴史的背景も実際の資料やフィルムを通じて、この作品に盛り込みたかったと語っておられました。

共産主義と宇宙開発という一見政治的な匂いに圧倒されそうですが、その時代特有の雰囲気や社会背景がしっかりと描き出されています。

そうした社会の中で、思春期の少女ルチャーナの繊細な心の揺らぎが、継父への反抗、兄との距離、初恋、裏切りなどを通じて、ほろ苦く描かれています。

好きな青年から愛されたいと願う女性としての目覚め、そして、社会の中で役に立ちたいと願う自立した大人として目覚めが、ルチャーナの心のほとばしりの両輪ですが、未熟であるがゆえに暴走して、人間関係をめちゃくちゃにしてしまったりと、駆け出したり、躓いたりと思春期の心はめまぐるしいほどに忙しいのです。

このルチャーナの将来像がどうなると想像するか... という質問が Q&A の時に会場から出ていましたが、監督が語ったとおり、その後のイタリアの社会情勢や世界情勢を鑑みると、彼女は自らの理想 (憧れ)と現実の乖離に悩み、打ちのめされていくのかもしれません。そうだとしても、見るものは、ルチャーナを温かく見守ってあげたくなるような気持ちになる作品だと思いました。



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