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やがて氷も溶けて 「フローズン・リバー」

2010.05.16.Sun.23:45
「フローズン・リバー」

原題: Frozen River
製作年: 2008 年
製作国: アメリカ
監督: コートニー・ハント
出演: メリッサ・レオ、ミスティ・アップハム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・ジュニア、マイケル・オキーフ

frozenriver

[あらすじ] (参照: 公式サイト
カナダとの国境に面し、モホーク族の保留地を抱えるニューヨーク州最北部の町。2 人の息子を育てながら、この町で1 ドル・ショップの店員として働く白人女性のレイ・エディ (メリッサ・レオ) は、新しいトレーラーハウスを買うために家族で貯めていた大金を夫に持ち逃げされてしまった。夫の行方を探すレイは、ある日、モホーク族の女ライラ・リトルウルフ (ミスティ・アップハム) が夫の車を運転しているのを目撃して追跡して問いつめる。保留地に暮らすライラは、まとまったお金を稼ぐために、寒さで凍った川を車で渡り国境を越え、不法移民を密入国させる危険な仕事をしていた。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


昨年の FILMeX で見逃したまますっかり忘れていたのですが、近所の上映していることに気づき見ておくことにしました。なかなか良いとの評判だったインディペンデント系作品ですが、ワタシは嫌いではありません。

タイトル通り、凍てついた河を往ったり来たり。国境警備がずいぶんと緩いような気がするけれど、国境線は長く、国境に隣接する地域は広いということなのでしょう。

この作品は、負のアメリカ社会を断片的に切り取ったような社会派ドラマです。

不法移民の密入国という違法行為は、もちろん見逃されているわけではありません。そうした違法行為に走らざるを得ない人々を、プアホワイト (poor white) と呼ばれる白人の低所得者層と先住民という、貧困・人種をめぐる社会問題のせいにするわけでもなく、また、溢れる母性や人間性で庇っているわけでもありません。

ただ、犯罪に手を染めるレイとライラには、自分が守るべきものは守るという確固たる軸のようなものがあるのです。

たとえば、パキスタン人夫婦の輸送途中に凍河に捨てたバッグの中に赤ん坊が入っていることを知り、2 人は迷うことなく危険を顧みずに河へ探しに戻ることも、冷たくなった赤ん坊の体を温めることも、レイが新居を手に入れることに固執することも、ライラが諦めていた子供を取り戻すことも、それらをただ 「母性」 という生温かい言葉でくくるにはくくりきれない、深いものがあるように思えました。

レイとライラの表情はいつも硬いのです。レイには生活苦という閉塞感に今にも押しつぶされそうな焦燥感が、ライラにはどこか人生を諦めきったような悲壮感があり、2 人がトゲトゲしいだけに、ワタシはどこか冷ややかな目で見続けていたと思います。やがてこの 2 人が共鳴し始め、2 人の中に何かが動くのを感じとることができると、それまで冷ややかに見ていた分、ホッとできる部分もありました。それは、2 人に共感できるとかできないとか、そういうことではないのですが...。

凍てついた河にもやがて春が訪れ、氷を溶かす... そんな陽光が差し込む場面が先に待っていると思えるラストでした。








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