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たいていはピンボケ 「ドント・ルック・バック」

2010.05.02.Sun.02:22
「ドント・ルック・バック」
韓国版 DVD

原題: 내 청춘에게 고함
製作年: 2005 年
製作国: 韓国
監督: キム・ヨンナム
出演: キム・テウ、イ・サンウ、キム・ヘナ、イ・ハン (現キム・ナムギル)、ペク・チョンニム

dontlookback

[あらすじ]
21 歳のジョンヒ (キム・ヘナ) は、現代舞踏を専攻する大学生。恋人 (イ・ハン) との関係も冷え切り、また 15 年間会ってなかった父親が彼女の前に戻ってくる。この現実をなかなか受け入れることができない。
25 歳のクヌ (イ・サンウ) は、公衆電話ボックスの修理と撤去をするパートタイム職員。他人の通話内容をこっそり盗聴している。盗聴した女性に執着するようになる。
30 歳のイノ (キム・テウ) は、除隊を控え、最後の休暇のため家に帰ってきたが、妻の変化に戸惑う。

2005 年 第 6 回 NHK アジアフィルムフェスティバル
2006 年 第 59 回 ロカルノ国際映画祭コンペティション部門 国際批評家連盟賞、Netpac賞
 
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


この作品は NHK との共同制作によるもので、初めて公開されたのが 2005 年 NHK アジアフィルムフェスティバルだったそうです。「ドント・ルック・バック」 = 「我が青春への叫び」 だと気づかず、DVD をゲットしようとネットショップをさまよったところ、ちっとも該当せず、インディー作品だからなないのかしらと思ったら... 「我が青春への叫び」 ではないですか。あーーー、なんだか見たことあるこの地味な DVD ジャケ... やっぱり... 我が未見コレクションに埋もれていました。

キム・ナムギル祭り第 2 弾ということで見てみることにしました。

この作品は、3 部のオムニバス形式になっていて、20~30 歳の主人公たちが、20 代の初め、20 代半ば、そして 30 歳に分けられ、それぞれテーマが振り分けてあります。

ジョンヒの場合。恋人との関係もすっかり冷え、精神的に疲れきっている上、15 年間も家を出ていた父親が突然現れ、受け入れることができず。父親とも恋人とも、関係の修復をはかることができない。

クヌの場合。夢もなく、ただ、なげやりな毎日を過ごすうちに会社から解雇通知が届く。面白がって盗聴という罪に走り、社会と協和して生きていく術も知らず、知ろうともしない。

イノの場合。博士課程途中に入隊したものの、除隊を目の前にして、30 歳を過ぎた自分の進むべき道に迷いが生じる。その上、妻の心がすっかり離れていることにも気付くが、追求できず悶々とする。

3 人に共通するのは、原題に見えるように、閉塞感からくる 「叫び」 でしょうか。閉塞感から抜け出せないままわだかまっているのは、自尊心のためか、ただ単に未熟なだけだからなのか。自分の居場所がどこにあるのかわからなくなるような焦燥感や閉塞感、小声な叫びは、だれしもが積み重ねているもの。わだかまることによって得る利はないような気がします。

この作品は、全体的なトーンも暗く、叙情性がミニマムに押さえられていて、ドキュメンタリーのような冷静な目で人物を追いかけています。会話も言葉少なく、会話と会話の間が何拍も空いてしまい、そこにぎこちない空気が流れていくのがわかります。

キム・ヨンナム監督は、「女は男の未来だ」 でホン・サンス監督の助監督を務めておられたそうで、会話の気まずい間 (ま) は、ホン・サンス監督作品と少し通じるところがあるなと思いました。

キム・ヨンナム監督の作品で最近見たものは、「ノーボーイズ、ノークライ」。ワタシにとって嫌いではない作品でしたが、キャラといいテーマといい、どうもピンボケな感じがしたことを覚えています。この作品も、空気感だけは伝わってくるのですが、肝心な部分がピンボケな感じがしました。でも、よくよく考えると、リアルな生活においては、たいていの物事がピンボケなままで、なんでもかんでも焦点をあわせて処理できるわけではありませんよね。

そうそう。何のために見たかってキム・ナムギル (旧イ・ハン) でしたが、18 禁行為だけ済ませてスクリーンから早々に退場していました (笑)。しかし、ここでも、そういう役柄だったのかぁ。

ワタシが見たバージョンは、第 6 回 NHK アジア・フィルム・フェスティバルで上映された後のディレクターズカット版として再編集されたもの。最初の編集では、3 人の登場人物が運命的に遭遇し、悲劇的な結末を迎えるものだったらしく、その結末は、作品のトーンとしては自然だったのかもしれません。でも、Don't Look Back (ふりかえるな) ならば、やはり、ポジティブな結末でいいのかもしれません。


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