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心の傷は癒えるのか 「マイ・ブラザー」

2010.07.02.Fri.10:45
「マイ・ブラザー」

原題: Brothers
製作年: 2009 年
製作国: アメリカ
監督: ジム・シェリダン
出演: トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン

brothers_teaser

[あらすじ] (参照: 公式サイト
米軍大尉のサム (トビー・マグワイア) は、美しい妻グレース (ナタリー・ポートマン) の良き夫であり、2 人の娘の良き父である。一方、その弟トミー (ジェイク・ギレンホール) は銀行強盗での服役から出所したばかりの厄介者。ある日、サムがアフガニスタンの戦地へと赴くが、しばらくしてグレースのもとにサムの突然の訃報が届く。悲嘆に暮れるグレースと娘たちを支えるトミー。そんな時、死んだと思われていたサムが帰還したが、サムは戦地で心の傷を負っていた。

「マイ・ブラザー」 という邦題の作品を見るのはこれが 3 つ目。割と安易につけられた邦題とも言えます。原題に忠実なのは、↓韓国映画だけのよう (笑)。

●「マイ・ブラザー」 (2005 年 / 韓国) 監督: アン・クォンテ
  原題: 우리 형 (僕の兄貴)
●「マイ・ブラザー」 (2007 年 / イタリア) 監督: ダニエレ・ルケッティ
  原題: Mio Fratello é Figlio Unico (僕の兄(弟?)は一人っ子)
●「マイ・ブラザー」 (2009 年 / アメリカ) 監督: ジム・シェリダン
  原題: Brothers (兄弟)


この作品は、デンマークのスサンネ・ビア監督 「ある愛の風景」 をジム・シェリダン監督がハリウッドでリメイクもの。戦争をテーマとしていますが、爆弾が乱れ飛び、血が吹き流れるという戦闘映画ではなく、あくまでも、兵士を支える家族の物語です。ベースとなっている 「ある愛の風景」 は未鑑賞なので、是非見たいと思いました。

ストーリーは複雑ではありませんが、グレースと兄弟であるサムとトミーの 3 人が微妙に絡みあい、心を寄せ合ったり、突き放したりと、しっとりした情感的なドラマです。

とにかくこの 3 人の演技は絶妙で、互いに触れ合うと何かが壊れてしまうのではないかと思うほどの繊細さや、互いがひかれ合うともう逃れられないような深みに嵌るような恐ろしさもあります。

特に、トビー・マグワイアは、アフガニスタンへ出征する前と帰還した後では、まったく別人のように変わり果ててしまいます。観客はサムに何が起こったか分かっていますが、一方、何も知らされていない劇中の家族は、彼の精神的ダメージを理解しようとして苦悩するため、その姿がとてももどかしく感じられました。

トミーがグレースとの距離を縮めていく過程も、いつ家族という一線を越えてしまうのかとハラハラしながら見ましたが、ハリウッド作品によくありがちな衝動的な男女関係はないため、余計にトミーの心の内の苦しさが理解できました。

今、この時にも、戦地に赴いている世界中の兵士たち。戦争は、兵士本人のみならずその家族にまで、心の傷を負わせてしまうということを、しみじみ感じました。戦争と引き換えに失うものは、物質的なものより、精神的なものの方がはるかに代償が大きいのかもしれません。兵士を抱えている家族にとっては、この作品はとても他人事でとは思えないのではないでしょうか。

ラストは、良かったです。もちろん大どんでん返しとか、驚きなどありません。夫婦の再出発の道は、この先、容易いものであるのかどうか見えてきませんが、どこかで光が見えて欲しいと祈らずにはいられない最後のシーンでした。



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