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野心の表と裏... 「赤と黒 【デジタルリマスター版】」

2010.07.15.Thu.00:50
「赤と黒 【デジタルリマスター版】

原題: Le Rouge et Le Noir
製作年: 1954 年 → 2009 年
製作国: フランス
監督: クロード・オータン=ララ
出演: ジェラール・フィリップ、ダニエル・ダリュー、アントネラ・ルアルディ

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[あらすじ] (参照: 公式サイト
1820 年代の小都市ヴェリエール。職人の息子ジュリヤン・ソレルは、貧しい環境に育ちながらも、ラテン語を得意とする聡明な青年であった。シェラン司祭の推薦で町長レナル家の家庭教師となったジュリヤンは、レナル夫人に思いを寄せ、2 人はいつしか人目をしのぶ恋仲になる。しかし、野心家のジュリアンは、当時出世への近道であった神学校へと旅立つ。

ジュリヤンの野心を心配した神学校のピラール司教は、ラモール公爵にジュリヤンを託す。秘書となったジュリアンは、侯爵令嬢マチルドの心を射止める。マチルドとの結婚を許され、中尉となるジュリヤン。ところが、レナル夫人の手紙がジュリヤンの幸福を引き裂いた。侯爵宛にレナル夫人からの手紙が届く。夫人は聴悔師に言われるまま、彼の罪深さを告発したのだ。

絶望と怒りに駆られたジュリヤンはヴェリエールへ赴き、教会でレナル夫人に発砲。彼は裁判で死刑を宣告される。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


1 月からずっと見ようと思っていたのに、なかなかスケジュールが合わず、ようやく見ることができました。

言わずと知れたスタンダールの小説 「赤と黒」 を映画化した作品。昨年、デジタルリマスター版が製作されました。3 時間ノンストップ鑑賞でしたが、長さを全く感じさせない作品でした。さすが、名作と言われるだけのことがあります。ストーリーの骨格がはっきりしていて、余計なものがなく、ジュリヤンの心理状態に沿って進むので、先の展開が解っていても飽きさせないのは、やはりジェラール・フィリップの魅力でしょうか。

ジェラール・フィリップは、役柄と実年齢との年齢差もあって、この作品へのオファーを何度も辞退したそうです。役柄のジュリヤンは 23 歳で、当時フィリップは 31 歳。確かに、ジュリヤンは 20 代前半には見えなかったけれど、あまり気になりませんでしたね。

ところどころに愛、人生について語る、スタンダールや知識人の格言が挿入されていて、見ている方がのめりこんでヒートアップしそうになると、冷静さを保てるように何度もリセットされるような感じでした。

ジュリヤンが自分の心の中をナレーションという方式で語るところは、ジュリヤンが野心家であっても決して自信に満ち溢れていたわけではなく、野心は不安とコンプレックスの裏返しであり、常に脆さを抱えていたことがよくわかります。

司教の前にひざまずく王の姿を見て、司教の威力・権力に胸が震えるほど憧れるなど、やや単純、いえ、純粋なところもあって、ある意味、皮肉な笑いがこめられていました。

赤は軍服、黒は僧衣。赤と黒は権力の象徴の色なのですね。結局、赤い服も黒い服も着る機会はあったけれど、ジュリヤンには似合っていないような感じがしたのは、気のせいでしょうか。

パンフレットには、 「当時批評家だったトリュフォーはこの種の文芸映画を批判するところからヌーベルバーグののろし火をあげたものだったが、そのためにスターの映画の良さが不当におとしめられたうらみがある」(佐藤忠男) と、ありました。

当時のスターであっても、後世の人間が見るとき、主演俳優がスターであったかどうかってあまり関係ないですね。デジタルリマスター版で、文芸映画の良さを見直すのもいいものです。





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