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[中国映画の全貌2010] 「北京の自転車」

2010.07.31.Sat.23:59
中国映画の全貌 2010

「北京の自転車」

原題: 十七歳的単車
製作国: 中国・台湾
製作年: 2000 年
監督: ワン・シャオシュアイ (王小帥)
出演: ツイ・リン(崔林)、リー・ピン (李濱)、ジョウ・シュン (周迅)、リー・シュアン (李爽)、カオ・ユアンユアン (高圓圓)

beijing_bicycle

[あらすじ] (参照: パンフレット)
オリンピック開催決定直前の北京。急激に豊かになっていく都市部に農村から多くの労働者が出稼ぎにやってくる。17 歳のグイは山西省出身、自転車宅配の配達人になった。支給された自転車は一定の配達回数をこなすと自分のものになる。ある日、目標の配達回数達成を目前にその自転車が盗まれてしまう。その頃、高校生ジェンは中古の自転車を手に入れる。グイは偶然にもジェンの自転車が自分の自転車であることを探し当てる。

2001 年 ベルリン国際映画祭銀熊賞 (審査員グランプリ)、新人男優賞 受賞


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


たかが自転車、されど自転車... と言い切ることのできない、もどかしさ、歯がゆさがいつまでも残る作品でした。

オリンピック開催前の北京が舞台。自転車は、中国人民の生活の足を象徴してきたと思うのですが、この作品ではちょっと趣が変わってきているようでした。

一台の自転車をめぐってグイとジェンが、17 歳なりのそれぞれの人生や面子をかけて争うのですが、そもそもその自転車はグイが会社からの支給された自転車。その自転車が盗難に遭い、中古屋に売られ、それを買ったのがジェンということになります。

グイにもジェンにも、この自転車の所有を主張する権利はあるわけです。17 歳の彼らにとって、自転車は、もはや単なる生活の足ではなく、急速に経済発展を遂げる社会で生きるための不可欠の道具だったようです。グイにとっては生活の糧、ジェンにとっては友人たちや恋人との付き合いで自分の面目を保つもの。

大都市開発、中央と地方の経済格差、経済発展による倫理観・価値観の喪失。こうした社会問題が折込み済みであることはすぐにわかります。ただ、問題の輪郭を明確に語っている作品というわけではありません。経済格差がどうであるとか、倫理が崩壊しているとか、直接的に語っているわけではないということです。

問題の小さな断片をあちこちに撒き散らしておいて、中心にいる若者 2 人を遠巻きに見据えられています。遠巻きなのに、カメラの目が何を見ているのか、それはあまりに雄弁に語られているので、思わずごくりとツバを飲み込んで圧倒されてしまいました。

そして終盤は、自転車は誰のものかという抗争が激しさを増していくのですが、その陰で得体の知れない怖ろしい何者かの存在がくっきりと首をもたげていました。この若者たちの未来をも暗示するような不気味さを漂わせていました。







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