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[中国映画の全貌2010] 「上海家族」

2010.08.25.Wed.23:02
中国映画の全貌 2010
「上海家族」

原題: 假装没感覚
製作年: 2002 年
製作国: 中国
監督: ポン・シャオレン
出演: チョウ・ウェンチン、リュイ・リーピン、ソン・ハイイン、チェン・チェンヤオ

shanghai_women

[あらすじ] (参照: goo 映画)
15 歳の娘・阿霞 (チョウ・ウェンチン ) は両親と 3 人暮らし。幸せそうな家族だが、父には愛人がいる。愛人とは別れると言いながら、別れる気配のない夫の態度に業を煮やし、母 (リュイ・リーピン) は離婚を決意する。母は、阿霞を連れて祖母 (チェン・チェンヤオ) の住む狭い実家に戻る。実家では、間もなく叔父が結婚するので、ふたりが住める部屋はなく、祖母はすぐにでも阿霞母娘を追い出したい様子。やがて母は、妻を病気で亡くした李さん (ソン・ハイイン) と再婚をする。しかし、李さんの息子・強強は、阿霞たちに敵意を剥き出しにする。真面目で堅実な李さんだが、実はとてもケチで、TV ばかり見ていて知性のかけらもない。水道代についての口論がきっかけとなり、母はまたも離婚。再び、やむなく祖母の家に戻った母と阿霞。二人の居場所などない。一方、愛人に逃げられた阿霞の父は、母との復縁を望んでいた。

2003 年トリノ国際女性映画祭 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀助演女優賞 (チェン・チェンヤオ)
第 24 回 フランス・ナント国際映画祭 最優秀主演女優賞 (チョウ・ウェンチン)


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


英題は 「Shanghai Women」 になっていたのに、邦題は何で 「上海家族」 になってしまったのでしょうかね。どちらかというと、英題の方が内容にあっていると思います。

さらに原題は 「假装没感覚」 となっていて、なんとなくわかるようなわからないような^^。調べてみたら。「感じないふりをする」、「知っていて知らないふりをする」 というような意味だそうで、これまた英題も邦題も原題となかなり離れています。

ポン・シャオレン監督は女性監督ということもあって、この作品は、三代にわたる女性の視点からの結婚観が描かれています。確かに、結婚は家族という大きな枠組みの中にあるので、タイトルが 「上海家族」 でもいいのかもしれませんが、あくまでも女性の生活観の方がくっきり浮き彫りになっています。

インテリだけど自分勝手で浮気をする夫。マジメだけど教養がなくケチな倹約家の夫。どちらもイヤだわ。そりゃ離婚したくなるわね。

男性であろうと女性であろうと、結婚する相手によって人生が左右されるのは仕方のないことですが、女性が子連れで独りで生きていくのはまだまだ大変。経済的な安定を求めて結婚を利用することだって理解できますが、そういうのは、自分の人生じゃないだろうと、若い娘が母に苛立ちをおぼえていることも伝わってきます。

祖母、母、娘。三世代の結婚観がそれぞれ全く異なっていることで、時代の変遷を感じさせます。子供のために夫の浮気ぐらいは我慢しろと母をたしなめる祖母。離婚、再婚、離婚、そして元のダンナと再婚と、結婚によって生活の安定を求める母。元サヤに戻るべきではないと母に進言する娘。でも、結婚っていつの時代にも、建前と本音がセットになっているような。


最初、ドキュメンタリーを思わせるような街の景色が写され、全編を通して、街の音が聞こえてきます。人のざわめき、車の警笛、自転車の走る音。淡々とした映像です。

この作品の解説にもれなく書かれていることが、上海の住宅事情。これ抜きには語れないようです。

浮気した夫に離婚を申し立てると、すぐに夫から 「この家は渡さない」 と言われ、再婚した夫には 「この家は自分が借金をして手にしたのだから、水道代は出せ」 と言われ...。この作品では、女性の結婚・離婚が、すぐさま 「住居」 に直結する死活問題に結びつき、「住居」 がことあるごとに女性の人生を決定づける要素であるかのようにも描かれています。離婚された母は実家しか行き場がなく、実家には弟夫婦が住んでいるわけで...。母は教師をしているので職業婦人でもあるのですが、持ち家となるとそう簡単に手に入れることができなくて。

最後に母と娘は、元夫からの慰謝料を元手にボロ家を手にするのですが、窓から見える川向こうの景色は、経済発展を遂げる上海のシンボルである高層ビル群が立ち並び、川を挟んだあちらとこちらには、暗くて深い溝が広がっているような現実の厳しさも感じられました。

そんな現実の厳しさの一方で、母と娘が女 2 人で新しい道を歩むという誇らしさも感じられ、それは、原題にある 「感じないふりをする」 のではなくて、感じるままに、思うがままに自分の人生を生きようということなのかなと...。



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