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心洗われて... 「ムクシン」

2010.08.29.Sun.23:54
「ムクシン」
ヤスミン・アフマド監督作品特集 @アテネ・フランセ文化センター

原題: Mukhsin
製作年: 2006 年
製作国: マレーシア
監督: ヤスミン・アフマド
出演: モハマド・シャフィー・ナスウィプ、シャリファ・アルヤナ

mukhsin

[あらすじ]
オーキッドは 10 歳の女の子。学校の休暇中に、別の村からやって来た 12歳 の男の子ムクシンと出会い、親友になる。遊び友達だった 2 人だが、やがて 2 人間に恋とも呼べる感情が芽生えるが、互いにどう向き合っていいのかわからない。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ようやく鑑賞にこぎつけることができて感無量 (笑)。この作品は、マレーシアの村に住む 10 歳の女の子と、12 歳の男の子との間に芽生えた淡い恋心を描いたものです。

マレーシアの少し蒸しかえるような土と風を感じる自然の風景に暮らす人々の姿が、とても情緒豊かに描かれています。幼い 2 人の友情がやがて恋心へと変わっていく過程が、2 人を取り巻く家族、村人、友人たちとの触れ合いを通じて、ごくごく自然体に描かれています。

冒頭、オーキッドの父親が友人たちと音楽を演奏し、歌を歌うシーンから始まります。スコールでしょうか、雨がざーっと降り注ぐ中、オーキッドは母と音楽に合わせて庭で雨に打たれながら楽しげに踊り始めるのです。「雨は空から贈られた真珠」 というような意味 (正確ではないかも) の歌詞にあわせて。

「雨は空から贈られた真珠」 というこの歌詞にハッとしました。最近、雨といえば、ゲリラ豪雨や大雨などの災いをもたらすものという印象が強いのですが、本来、雨は人間の生活に恵みをもたらすものだったはずですよね。雨に打たれながら踊るという光景が、これほど輝いて見えたのが不思議でした。

この作品の中に登場するオーキッドの家庭は、なんとも微笑ましく、父親と母親の愛情いっぱいにオーキッドが育てられているのがわかります。それにユーモアたっぷり。

自家用車を持ち、家政婦を雇っているので、上流なのかなと思ったら、ソファの代金を支払えず回収されてしまうし...

オーキッドは、マレー系なのに中国人学校に通い中国語にも通じ、母親は英国留学をしているため家では英語を話し、父親はインテリなのか?教育熱心なのか? (笑)。

オーキッドは、女の子たちとお嫁さんごっこなんてしたくなくて、男の子たちと陣取り合戦をして遊ぶ方が楽しい活発な少女なのです。男の子とも堂々と喧嘩をして、相手の両親に家に乗り込まれても、オーキッドの母親は、鞭を持ってオーキッドとともに部屋をでていくと、別部屋から鞭を打つ音とオーキッドの悲鳴が相手の両親にこれ見よがしに聞こえてくるのです。これは、実はパフォーマンスなのですが、なんともユーモア溢れる親子。

都会の洗練された生活ではないけれど、人々の温もりがじっくり感じられる作品でした。

オーキッドとムクシンの関係も、木登りをしたり、凧揚げをしたりする姿は、無邪気な子供なのですが、まずムクシンの方に恋心のようなものが芽生え、そのムクシンのちょっとした変化がオーキッドには理解できなくて... なんとも繊細な 2 人のすれ違い...。ラストはグッときましたね。ムクシンの波打つようなあの腕の動きに...

エンドクレジットのシーンには、監督ご自身、監督のご両親、製作スタッフが出演して、全員で歌を歌いながら終わるのですが、これがまた何とも楽しげで、心洗われました。


ヤスミン・アフマド監督が昨年 7 月に急逝されたことは、本当に残念です。

この作品以前に撮られた 3 作品 (「ラブン」、「細い目」、「グブラ」) とあわせてオーキッド 4 部作と言われる作品は、自伝的な作品と言われています。ワタシは、前 3 作を今回の上映会では見られませんでしたが、またどこかで見る機会があるといいなぁと思います。

大阪アジアン映画祭 2007 来日時のアフマド監督のトークショー記事を見つけました。
コチラ → 映画の森 「ムクシン」ヤスミン・アハマド監督語る


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