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瑞々しい時間 「タレンタイム」

2010.08.30.Mon.08:34
「タレンタイム」
ヤスミン・アフマド監督作品特集 @アテネ・フランセ文化センター

原題: Talentime
製作年: 2008 年
製作国: マレーシア
監督: ヤスミン・アフマド
出演: マヘシュ・ジュガル・キショー、パメラ・チョン・ヴェン・ティーン、ムハマド・シャフィー・ナスウィプ、ハワード・ホン・カホウ

talentime

[あらすじ]
とある高校で音楽コンテストが開催される。このコンテストためのオーディション、リハーサルなどを通じて、高校生たちが青春をぶつける。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


タイトルの 「タレンタイム」 は、マレー語かと思ったら、タレントとタイムをかけ合わせた造語なのだそうです。学内音楽コンテストというテーマに沿ったタイトルだったのですね。

見終わってみて感じたのは、この作品で描かれている高校生たちは、まだ社会に汚される前の本来の善良な人間の姿として描かれているような気がしました。

彼らが通う高校は、さまざまな人種、宗教、階級層の出身者たちの集まりで、社会の縮図のようなもの。裕福な家庭で白人の血も引くマレー系の少女ムルー、ヒンドゥー教徒で聴覚障害を持つ青年マヘシ、脳腫瘍のため余生少ない母親を抱える青年ハフィズ、常に一番を父親から要求される中国系の青年カーホウ。

ハフィズ役の子は、「ムクシン」 でムクシン役だった男の子だわ~。

この 4 人による、恋愛、嫉妬、失恋、競争心、家族と悩み多き日々が瑞々しく綴られていて、なんとも清々しい気分になれる作品でした。

彼らの感情が、音楽に込められ、劇中で使われる音楽はとても効果的に使われていました。ムルーが歌う歌は、聴覚障害を持つマヘシには聞こえないはずの音楽だって、マヘシの心の奥に届けられていくような優しさが感じられました。

言葉の違い、文化の違い、社会の違い。社会の中で、人と人が対立する要素、理解しえない要素はたくさんあるけれど、そうした不協和音を解決する原点は、同じ場所に立って、真に向き合うことだったり、ふれあいだったり、思いやりだったり、そうした素直で単純なものなのだと教えてくれるものでもあります。

相互理解とか融和とか口で言うのはたやすいけれどね。

母親が病死してもなお舞台に立ち歌うハフィズに、それまでハフィズに敵対意識を燃やしていたカーホウが二胡で歌にあわせて演奏するところも泣かせてくれるところでした。


劇中、ムルーが歌っている ♪ Angel ♪


ハフィズが歌っていた ♪ I go ♪ (by Pete Teo)



この作品、冒頭は、コンテストの会場として使われた講堂の明かりがプチプチプチと徐々に点灯するところから始まり、エンディングは、またプチプチプチと徐々に消灯するところで終わるのですが、なんとも印象的な始まりと終わりでした。そっけない講堂にはまるで何事も起こらなかったかのようで、それまで繰り広げられていた高校生たちの笑いと涙の人間劇が余計に愛おしく感じられました。

音楽担当のピート・テオのインタビュー記事が昨年の TIFF で紹介されていました。
コチラ → アジアの風部門『タレンタイム』:ピート・テオ (音楽) インタビュー




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