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「朗読者」 が読んでいたものは・・・

2009.04.01.Wed.00:30
「The Reader」

邦題: 愛を読むひと
製作年: 2008 年
製作国: アメリカ / ドイツ
監督: スティーブン・ダルドリー
出演: ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、ダフィット・クロス、ブルーノ・ガンツ

the reader


ケイト・ウィンスレットが第 81 回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した作品。
原作は、ドイツの小説家 Bernhard Schlink (ベルンハルト・シュリンク) の 「Der Vorleser」 (朗読者)。

ストーリーは・・・
1958 年のドイツ、15 歳のミヒャエルは、21 歳年上のハンナとベッドを共にし、彼女に頼まれて本を朗読するようになるが、ある日突然、彼女は姿を消す。時は流れ、戦時中のある罪を問われて投獄されたハンナのために、ミヒャエルは本を朗読したテープを刑務所に送り続ける・・・(参照: eiga.com)


この作品を見終わって、うむむむ・・・消化不良を起こしてしまいました (笑)。

消化不良の原因の 1 つ目は、ケイト・ウィンスレットがアカデミー賞では主演女優賞なのに、ゴールデングローブ賞他では助演女優賞を取っていることからもわかるように、ケイトは主演なの?助演なの?ってことです。

主演だろうが助演だろうが、彼女の演技にいちゃもんつけるつもりは毛頭ありません。確か最初のキャスティングでは、二コール・キッドマンだったのに、二コールが妊娠したためケイトになったという経緯だったと思いますが、ケイトで見てしまうとこの役はケイト以外に考えられないほど、彼女が完璧に演じきっていると思います。

で、なぜ、主演か、助演かにこだわるかというと、この作品の視点がどこにあるかということが気になったので。この作品は、ハンナ (ケイト・ウィンスレット) と関わったミヒャエル (レイフ・ファインズ、少年期: ダフィット・クロス) の視点で描かれ、彼の生涯 - 少年期、青年期、壮年期 - におけるハンナとの接点についての回想と現在が繰り広げられるという展開です。主演はあくまでもミヒャエルだと思うのです。でも、その割には、ミヒャエルの視点の輪郭というか焦点がぼけていて、情感というものあまり伝わってこなくて、なぜか、ハンナに気を取られてしまうのです。

そして、2 つ目は、その 2 人の関係なんですが、これって男と女の愛情物語なんでしょうかね。前半のミヒャエル少年時代の 2 人の姿は裸が多いのですが (笑)、それはともかくとして、この 2 人の間にそもそも愛情が介在しているのかどうかさえよくわからなかったのです。2 人の年齢差が 21 歳ということを別にしても。

この作品の邦題は、なんでも 「愛を読むひと」 だそうですね。ああ、また邦題にいちゃもんつけるつもりはなかったのですが (ホントかっ)、消化不良で悩んでいる (爆) 私をよそに、いきなり 「愛を読む」 だなんてあまりに安直な表現に、そ、そんな・・・。納得いかないなぁ。

この消化不良を解決するには、もう原作をたずねるしかないと悟りましたが、日本語翻訳版は残念ながら手に入らないので、仕方なくペーパーバックで読み、スッキリしました。原作の主人公は、もちろんミヒャエルであり、ハンナにとって 「朗読者」 でありつづけるこの男性の視点がストーリーのすべてなのです。ドイツ語原典で読めたらどれだけいいかなぁと思うぐらい、これはドイツならではの話で、ナチス時代への裁きも含まれています。映画は、ドイツ語で製作された方がイメージにしっくりくるような気さえしました。

この 2 人は運命的なものでつながっているようで、愛情と呼ぶには何か決定的なものが欠けて、どこか相まみえないものがあるような気がします。映画では情感が伝わってこないと思いましたが、原作を読むと、ミヒャエルの心の中というよりは、頭の中で、ああでもない、こうでもないとやや観念的にハンナを物語っているのが面白いと思いました。

この 2 人を誇大広告のように純愛でとらえるのは、少し違うかなぁと思うのですが、どうとらえるかは、読者、または観客にゆだねられているのかもしれません。個人的には、映画とともに原作も合わせて楽しまれることをお勧めします。


ところで、この作品、権利獲得から公開までのさんざんな紆余曲折があったそうですね。
詳細はコチラ⇒ Variety Japan






原作:
「朗読者」 (新潮文庫)
ベルンハルト・シュリンク

「The Reader」 (Vintage International)
Bernhard Schlink




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