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[23rd TIFF] 「重慶ブルース」

2010.10.30.Sat.08:38
第 23 回 東京国際映画祭 アジアの風部門
「重慶ブルース」

原題: 日照重慶
製作年: 2010 年
製作国: 中国
監督: ワン・シャオシュアイ(王小帥)
出演: ワン・シュエチー、ファン・ビンビン、チン・ハオ、ズーイー、リー・フェイアル

chongongblues

[あらすじ] (引用: TIFF 公式サイト
6 か月間の航海から戻ってきたリン船長は、25歳の息子リン・ボーが警察に射殺されたことを知る。何が起きたのか知りたいが、彼は息子のことをほとんど知らなかった。息子とは何年も前に別れたきりだったのだ。彼はかつて暮らした重慶の町に戻り、自分が父親であることを見つめ直し、懺悔の旅が始まる。

第 63 回 カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品作


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「北京の自転車」の ワン・シャオシュアイ監督作品ということで、是非見ておきたかった作品です。カンヌ映画祭の時に、インタビューを見ていて、ファン・ビンビンがとても美しかったので、作品ではどうなのかと興味深々でした。

重慶を選んだ理由は、新しきものと古きものが混在している町だからと監督が以前語っていましたが、作品内の風景でも、それは十分に汲み取れます。

近代的な高層ビルの足元には、とても衛生的とは呼べない従来の家屋や古びたビルが、所狭しとせめぎあって立ち並んでいます。「格差」 は確実に見えてきます。貧富の格差のみならず、世代の格差とでも言いましょうか。

この作品は、ワン・シュエチー演じるリン船長の 1 人舞台と言ってもいいぐらいの作品。

息子とは 10 歳の時に別れて以来会うことも叶わなかった父親。息子が、人質事件を起こし、警官に撃たれて死亡してしまったと聞きつけ、事件の真相を知ろうと重慶に戻ってくるところから、話は始まります。

一体何がどうなったのか知りたいだけなのに。息子の母親も、友人も、関係者たちもなぜか口を開こうとしないので、父親に焦りが募ります。事件簿サスペンスではありません。あくまでも、父親の心の中で、後悔の念がフツフツと吹き上がってくるのがわかるような人間ドラマです。

成長した息子の顔もわからない父親。事件当日の様子が動画サイトにあがっていることを知り、監視カメラに写った粗い画像の息子の顔をプリントアウトする父親が、なんとも痛ましくて、切なくて。

重慶の町はなにもかもがすっかり変貌してしまって、父親の過去も隣人たちも呑み込んでしまった、巨大な怪物のようでもあります。そこには、ただ、虚しさと悔しさが残るのみで、それが現実というものです。

通じ合うことのなかった父親と息子の間には、細い糸があったことに少し安堵しました。虚しさや悔しさだけでは、哀しみは乗り越えられませんものね。

新しい世代、新しい価値観、新しい潮流に乗り遅れない人々もいれば、すっかり乗り遅れてしまっている人々もいて、中国社会の今を斬るという感じの骨太な作品でした。




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