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目の前の君と遠くの君... 「君を想って海をゆく」

2011.01.31.Mon.10:52
「君を想って海をゆく」

原題: Welcome
製作年: 2009 年
製作国: フランス
監督: フィリップ・リオレ
出演: ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴェルディ、オドレイ・ダナ、デリヤ・エヴェルディ

welcome_poster

[あらすじ] (引用: 公式サイト
17 歳クルド難民ビラル (フィラ・エヴェルディ) は、フランス最北端のカレにたどり着く。ビラルの最終目的地は恋人ミナ (デリヤ・エヴェルディ) が住むロンドン。カレの港ではイギリス渡航を望む多くの難民が生活していた。ビラルは偶然再会した同郷の友人とともに仲介人にお金を払い、密航を試みるが失敗に終わる。ビラルは英仏海峡を泳いで渡ることを決意する。フランス人のシモン (ヴァンサン・ランドン) は、往年に活躍した水泳選手だが、今では市民プールで子供や老人を相手に水泳指導する日々を送っている。妻のマリオン (オドレイ・ダナ) とは離婚調停中。ビラルはプールでシモンと出会い、クロールの指導を受け始める。しかし、ビラルの目的に気付いたシモンは、真冬の海を渡りきることはできないと、諦めるようビラルに忠告する。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


英仏海峡を横断する青年の話ということで、なぜか、イギリス映画だとばかり思い込んでいたら、フランス映画でした。

ワタシが見に行ったのは平日の昼間だったにもかかわらず、小さいスクリーンだったこともありますが、満席で驚きました。最前列で見る羽目になりましたが、そんなことはちっとも気にならないほど、作品に入り込めました。

本作は、フランスの難民問題もテーマとなっていることから、内容はとても繊細です。

ロンドンにいる恋人に会いたいという一心で、イラクから 4000 kmを歩いてフランスの北の果てにたどり着き、そこから、海峡を泳いで渡ろうとする青年。なんという執念。ただ、その青年の純愛を描いただけでは陳腐な物語になってしまうのですが、それだけで終わらなかったところがこの作品のいいところです。

フランス人と難民のかかわり、離婚寸前の熟年夫婦、こうしたものをコテにして、ビラルの純真さを上手く引き出していました。イラクからどうやってフランスまで歩いてきたのか...。陸続きの国ならではの感覚で、なんとも途方もなく長い道のりではありませんか。そして、水泳の技術もままならないのに、真冬の海峡を泳いで渡るという...。

当局の目も、近所の目もうるさく、シモン (ヴァンサン・ランドン) は、当初、難民とかかわりを持とうとしなかったのに、ビラルに水泳を教えることを通して、彼らに対して徐々に心を開いていくのです。

さらにシモンは妻と離婚協議中。本当に大切な人を失おうとしていることにも気付き始めるのです。シモンの心の変化はとても丁寧に描かれていたと思います。

ビラルは遠く離れた愛する人を追いかけ何千キロも超えてきたのに、自分は目の前にいる愛する人でさえ手放してしまうのか、と呟くシモンがとても印象的で、ビラルとミナ、シモンとマリオン、この 2 組のカップルの対比が効果的でした。散漫にならず、話の方向にブレがなかったので、ストーリーに入り込めたのだと思います。

原題が 「Welcome」とは何とも皮肉です。シモンが不法滞在者のビラルを世話することを快く思わないアパートの隣人が、警察にシモンを突き出すのですが、その隣人の部屋の玄関マットに 「Welcome」 と書かれているのです。フランスでビラルのような難民は歓迎されないのです。ビラルは、英仏海峡を泳ぎきって、イギリスにいる恋人の歓迎を受けるのか...

ちなみに、トリビアですが、恋人同士のビラルとミナは、実の姉弟なのだそうです。


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