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静寂な孤独と温もり... 「ヤコブへの手紙」

2011.02.22.Tue.23:51
「ヤコブへの手紙」

原題: Postia pappi Jaakobille / Letters To Father Jacob
製作年: 2009 年
製作国: フィンランド
監督: クラウス・ハロ 
出演: カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン

letterstoJaakob


[あらすじ] (引用: MovieWalker
1970年代のフィンランドの片田舎で、レイラ (カリーナ・ハザード) は模範囚として恩赦を受け、12 年間暮らした刑務所から釈放される。身寄りのない彼女は、不本意ながら、ある牧師の家に住み込みで働くことに。盲目の牧師ヤコブ (ヘイッキ・ノウシアイネン) はレイラに、毎日届く手紙を読み、返事を書くことを頼む。自転車に乗った郵便配達人 (ユッカ・ケイノネン) が届ける手紙には、些細なことから誰にも打ち明けられないことまで、様々な悩みが書かれていた。ヤコブは、その 1 つ 1 つに丁寧に返事をする。レイラはその仕事も好きになれず、郵便配達人のことも鬱陶しく感じ、手紙を勝手に捨てていた。郵便配達人もレイラに不信感を抱き、2 人の仲は険悪になる。ある日、毎日届いていた手紙が、まったく届かなくなる。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、フィンランド・アカデミー賞で作品賞、監督賞など 4 部門を受賞した作品。

登場人物は、盲目の牧師ヤコブと、彼の元で手紙を読み、返事を書く仕事を得た身寄りのない元服役囚レオラ、そして、彼らに手紙を届ける郵便配達人の 3 人。ランニングタイム、わずか 75 分の中に、ギュッとエッセンスを絞り込んだようなストーリーが流れている作品でした。

きどって言うと、叙事性というものを考えてしまった作品。情緒が先でなく、叙事が先にきて、後から情緒が自然にくっついてくる、そんな感じがしました。

例として適切かどうかわからないけど、アジア映画、特に最近見た韓国映画の中には、まず情緒ありきで、あとからストーリーが申し訳程度についてくるものが目につくというか、いつも消化不良を起こすのは、そのせいだったのではないかとひとり合点しています。怒り、哀しみ、涙、喚きなど、やたらに叙情性を強調するものが先に立ち、叙事性が薄すぎる...と。そんな簡単に語れることでもないのだけど。

本作は、3 人のやり取り、特に、盲目の神父と元服役囚の女性との関わりが基軸なのですが、もともと 2 人に接点はなく、一緒に暮らしていても互いに何らかの情が湧くわけでもなく、果たしてこの 2 人を結びつけるものは何なのかと疑問に思ってしまうのです。

しかし、盲目の神父には、神父なりの苦悩があり、元服役囚には、彼女なりの苦悩があり、そうした彼らの生き様を、森と水に囲まれた美しい風景と語りの中で自然に語らせているところが、この作品のスゴイところです。

盲目であろうとも、かつては、村人から慕われ、村人たちの心の支えであったであろう神父ヤコブ。誰もいないガランとした教会の、何の装飾もない祭壇の前に立ち、1 人で聖体拝領を行う姿は、老いと孤独という人生最後の試練に立ち向かい打ちひしがれているようで、とても胸が締め付けられました。自分は神から必要とされていたのだろうか...と。

元服役囚レイラ。つっけんどんで、トゲトゲしく、恩赦を受けて釈放されたというのに自暴自棄な態度。彼女にはどこかへ身を寄せるあてもなく、自分を必要としている家族もなく、愛されたこともない。絶望の淵に立ちつくしたまま、抜け出すことのできない状態。

ある日、パタリとヤコブ神父の元に手紙が届かなくなったことを機に、レイラの神父に対する態度にわずかな変化が見られるのです。そして、この 2 人を引き寄せたものが判明するのですが。

そして、第 3 の登場人物、謎の郵便配達人。最初から不思議な登場人物だなと思っていたのですが、なぜ突然手紙が届かなくなったのか。

もしかして... 毎日神父の元へ届けられていた手紙は... まるでミステリー? (笑)
いや、やっぱりそういうことなのでしょうね。

すごく地味~~なのですが、なんとも言えない静寂な孤独とともに温もりが伝わってくる作品でした。





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