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味わい深い脚本力... 「英国王のスピーチ」

2011.03.15.Tue.19:11
「英国王のスピーチ」

原題: The King's Speech
製作国: イギリス=オーストラリア
製作年: 2010 年
監督: トム・フーパー
出演: コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター

the_kings_speech_poster

[あらすじ] (参照: MovieWalker
ジョージ 5世 (マイケル・ガンボン) の次男ヨーク公アルバート王子 (=ジョージ 6 世) (コリン・ファース) は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱えていたため、人前に出ることを嫌う内気な性格であった。厳格な父はそんな息子に様々な式典のスピーチを容赦なく命じる。ある日、アルバートは妻のエリザベス (ヘレナ・ボナム=カーター) に付き添われて、スピーチ矯正の専門家・ライオネル (ジェフリー・ラッシュ) を訪ねる。ライオネルの治療はユニークであり、診察室では私たちは平等であると主張し、王子を愛称のバーティと呼び、禁煙させ、さらに、大音量の音楽が流れるヘッドホンをつけ、シェイクスピアを朗読させた。アルバートはこの治療は自分には合わないと告げ、足早に立ち去ってしまう。だがクリスマス放送のスピーチがまたしても失敗に終わったアルバートは、ライオネルに渡された朗読の録音レコードを聞いて驚く。音楽で聞こえなかった自分の声が一度もつまることなく滑らかなのだ。再びライオネルを訪ねたジョージは、その日から彼の指導のもとスピーチ嬌声のレッスンに励む。1936 年、ジョージ 5 世が亡くなり長男のエドワード 8 世 (ガイ・ピアース) が即位するものの、シンプソン夫人との恋を選択して王位を退き、アルバートはジョージ 6 世として即位する。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


実話がベースとなっていることもあり、人間ドラマとしての説得力があって、ジョージ 6 世とライオネルとの対話が主軸となっている脚本力がすばらしいと思いました。英国独特のユーモアも交えつつ、見る前からラストは分かっているのに、ラストへ収束していく過程は実に見ごたえがありました。

ナチスドイツへの宣戦布告を決めた大英帝国が、その全土に向けて国民を鼓舞する演説をジョージ 6 世が行うラストは、気がつくとワタシも手に汗を握りながら、ジョージ 6 世の一言、一言にいちいち頷いていました。映像的には単純すぎるシーンなのに、そんなにものめりこませてくれたのは、やはりかっちりと組み立てられた秀逸なストーリーのおかげでしょうか。

本作、もともとミニシアター系作品で上映劇場も限定されていたはずですが、さすがにオスカーの権威は、公開スクリーン数を大幅に増加させる力がありますね。

そして、何よりもコリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーターの 3 人は素晴らしかったですね。特にライオネル役のジェフリー・ラッシュ。スピーチセラピストのライオネルというキャラクターはとても個性的でありながらチャーミング、温もりがありながら冷静。ジョージ 6 世やエリザベス王妃が彼に信頼を寄せる理由も、そうした味わいたっぷりのキャラクターでじっくりと見せてくれます。

生まれつきの吃音はいないと言っていたライオネルの言葉も印象的でした。吃音には、なんらかの心理的な抑圧や、幼児期の体験などが要因となっているのでしょうが、治せるということは何よりも励みになるのではないでしょうか。

ところで、主人公である英国王ジョージ 6 世役は、当初コリン・ファースではなくヒュー・グラントにオファーされていたそうです。ヒュー・グラントは出演を断ったことを今になって大後悔しているとか...(笑)。


それにしても、本作を見て最も驚いたのは、いかに英国王室が開かれているかということです。本作の制作をよく許可したなと...。日本の皇室ってどうなのよと、ちょっと思ってしまいました。

王の個人的な苦悩があからさまになっているところはもとより、エドワード 8 世の恋の逃避行などは王室の歴史的汚点ともなりかねないエピソードも含まれ、その上、ジョージ 6 世がストレスを軽減するために、NG ワードを吐き出すところは王室の品位にもかかわりそうなものですが...。しかし、本作では、いずれのエピソードにおいても、王がひとりの人間であることを描くことに主眼が置かれていることがよくわかります。



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