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人類の叡智とは...「アレクサンドリア」

2011.03.16.Wed.17:29
「アレクサンドリア」

原題: Agora
製作年: 2009 年
製作国: スペイン
監督: アレハンドロ・アメナーバル
出演: レイチェル・ワイズ、マックス・ミンゲラ、オスカー・アイザック、マイケル・ロンズデイル、サミ・サミール

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[あらすじ] (引用: MovieWalker
ローマ帝国が崩壊寸前の 4 世紀末、エジプトのアレクサンドリアでは、人々は古代の神をあがめていたが、ユダヤ教とキリスト教が勢力を広げつつあった。天文学者ヒュパティア (レイチェル・ワイズ) は美貌と知性に恵まれ、多くの弟子たちから慕われていた。そのひとり、オレステス (オスカー・アイザック) は彼女に愛を告白するが、学問一筋のヒュパティアは拒絶する。ヒュパティアに仕える奴隷ダオス (マックス ・ミンゲラ) もまた彼女に思いを寄せていたひとりであった。キリスト教徒たちによって古代の神々が侮辱される事件が起こり、科学者たちは、彼らに報復したことをきっかけに、キリスト教徒が多勢を集めての反撃に来たため科学者たちは図書館に逃げ込む。争いの裁きを委ねられたローマ皇帝は、科学者たちの罪は問わない代わりに、図書館を放棄するよう命ずる。ダオスは奴隷として愛する人について行くか、改宗して自由を手に入れるか迷うが、彼女と決別し、キリスト教徒のアンモニオス (アシュラフ・バルフム) に扇動され、教徒たちとともに図書館の書物を燃やす。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「海を飛ぶ夢」 以来のアレハンドロ・アメナーバル監督の作品、待っていました。原題の 「Agora」 = アゴラとは、古代ギリシャ語で 「広場」 を意味する言葉で、アゴラは、政治・経済・哲学などの議論に花を咲かせる市民生活の中心の場であったそうです。

本作は、4 世紀のアレクサンドリアに実在した女性天文学者ヒュパティアの運命を描いた作品です。アレクサンドリアの街並を再現した映像は、世界観を見据えた壮大なものでした。

本作はいわゆる歴史人間ドラマで、古代の科学者たちによる、人間の知に対する探求心の崇高さが描かれているわけですが、それよりも、4 世紀における、古代神崇拝、キリスト教、ユダヤ教の対立の構図を見ると、宗教戦争的な意味合いが色濃く映し出されていたような気がしました。

その他の宗教も加わり、今だに世界のどこかで起こっている、宗教をめぐる人間同士の殺し合い。もしかすると、人間は、古代から何も進歩していないのかと。

「異教徒」 という言葉は、一体、何を基準に「異」であるのかと考えると、あまりに身勝手、自己中心的な発想に基づいていることに、人々は気付こうともしないのか、気付いているけれど、見ないふりをしているのか。この果てしない愚行はいつまで続くのでしょうか。

宗教は、そもそも人間が作り出したもの。この愚かな人間がです... この作品の意図が、宗教に対するなんらかのメッセージを抱いているのかどうかは分からないけれど、宗教とは何かという、とても重い問いかけが込められているような気がしてなりません。

さらに、哲学、科学... 人類の叡智についても考えさせられました。


この作品を見終わって、真っ先に思い出したのが、高校生の時に読んだ辻邦生著 「背教者ユリアヌス」 という歴史小説です。

ユリアヌスは 4 世紀のローマ帝国の皇帝で、キリスト教への優遇を改め、終生ギリシャ哲学に身を捧げたといわれ、キリスト教徒からは後世 「背教者」 と呼ばれています。そのユリアヌスの生涯を描いた小説でした。この映画と同じようなテーマだと思います。

4 世紀というと日本は古墳時代ですが、地中海沿岸エリアでは、人々が宗教と哲学のはざ間で苦悩するような高度な文化が花開いていたということをあらためて認識しました。





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