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神々しき葛藤... 「神々と男たち」

2011.06.03.Fri.16:45
「神々と男たち」

原題: DES HOMMES ET DES DIEUX
製作年: 2010 年
製作国: フランス
監督:グザビエ・ヴォーヴォワ
出演: ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデイル

DES HOMMES ET DES DIEUX

[あらすじ] (参照: 公式サイト 引用: goo 映画)
1990 年代、アルジェリア。人里離れた山間の小さな村の修道院で、修道院長クリスチャン (ランベール・ウィルソン) を始めとするカトリックのシトー会に所属する修道士たちが共同生活を送っていた。戒律を厳格に守り、貧しい人々とともに働き、病める者の面倒を見て過ごす日々。修道士たちはイスラム教徒の地元民と良好な関係を築いていたが、アルジェリアは内戦の真っ只中。暴力行為やテロがこの土地にも暗い影を落としていた。イスラム過激派による市民の虐殺に加え、アルジェリア軍との衝突で多数の犠牲者が出る。やがて過激派グループが修道院に乱入する事件がおこり、修道士たちはアルジェリアを去るべきか否か、議論を交わすものの、意見はまとまらない。いつ殺されるやもしれない恐怖、生への執着、自分たちへ課せられた使命に悩み苦しみ、この土地を出て行くか、残留するか。

2010 年 カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、イスラム教圏のアルジェリアのチビリヌで修道院生活を送っていたフランス人修道士たちに起こった実際の事件に基づき製作されたそうです。1996 年当時、アルジェリアは、武装イスラム集団とアルジェリア軍との内戦の真っ只中にあり、その最中、信仰に支えられ現地で地元民を助けて生活していたと修道士たちの生き様を描いたものです。

重々しくもあり、神々しくもあり...。

序盤は、修道士たちの日常が描かれているため、まったりとした風景を見ながら睡魔との葛藤。でもそれはやがて、後半、修道士たちが迫られる過酷な決断へと動くための対比として描かれていたことに気付かされたのですが。

劇中では、礼拝時に修道士たちが聖歌を歌うシーンが数々登場するのですが、その聖歌の歌声がなんとも清廉で、心洗われる思いでした。聖歌は、修道士たちが、己の迷い、悩みを神に問いかけ、神に救いを求めるかのような切実さが伴っていました。

人格者のように思われがちな修道士たちも人間であり、個々に事情を抱えているのは当然のこと。生への執着、信仰へ疑問、そうした内面も浮き彫りにされつつも、修道士としての体面を守ることに囚われず、臆することなく全員で意見交換する場面では、互いを理解し、互いの意見を尊重し合うという姿勢にも心打たれました。

自分に課せられた使命は何かということを問い続け、出した結論。

プロダクションノートにもあるように、アルジェリア内戦が激化する中で彼らはなぜアルジェリアに残る決心をしたのかということが、本作の核になっていることは明らかです。

修道士たちの意見交換も含め、住民と修道士たちの対話、過激派とのやりとり、そうした人と人の間に生まれるコミュニケーションによって、分かり合えないことも分かり合える、互いに尊重し合えるという真実も、引き出されているにもかかわらず、どこで何が歪んでしまったのか、最後は、あまりにむごい結末を迎えてしまい、何ともいえません。

愚かなのは誰なのでしょうか。

最後の晩餐のシーンでは、そこまで、音楽といえば聖歌が中心だったのに、不意に 「白鳥の湖」 が流れてきます。なぜ、白鳥の湖なのか... 考えると眠れません。

フランスとアルジェリアの現代史、ちゃんと把握しておこうっと。



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