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絶望が導く希望... 「闇の列車、光の旅」

2011.06.06.Mon.23:55
「闇の列車、光の旅」
DVD

原題: Sin Nombre
製作年: 2009 年
製作国: アメリカ=メキシコ
監督: キャリー・ジョージ・フクナガ
出演: エドガール・フローレス、パウリナ・ガイタン、クリスティアン・フェレール、テノッチ・ウエルタ・メヒア、ディアナ・ガルシア

sin nombre_poster

[あらすじ] (引用: Movie Walker
ホンジュラスで暮らす少女サイラ (パウリーナ・ガイタン) は、未来のないこの地を捨て、父と叔父と共にアメリカへ発つことを決める。だがそれは、グアテマラとメキシコを経由する長く危険な旅だった。なんとかメキシコ・チアパス州まで辿り着いたサイラたちは、アメリカ行きの列車の屋根に乗り込む。そこには、同じようにアメリカを目指す移民たちがひしめきあっていた。ほっとしたのも束の間、リルマゴ (テノック・ウエルタ・メヒア)、カスペル (エドガー・フロレス)、スマイリー (クリスティアン・フェレール) のギャング一団が屋根に上がってきて、移民たちのなけなしの金品を強奪。さらにリルマゴはサイラに銃をつきつけて暴行しようとするが、以前同じような経緯で恋人を亡くしたカスペルは、リルマゴを殺してしまう。組織を裏切ったカスペルには、列車にとどまって旅を続けるしか選択の余地はなかった。そんな彼にサイラは命を救われた恩を感じ、淡い恋心を抱くようになる。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


原題の 「Sin Nombre」 は、「名もなく」 という意味。この意味は、ストーリーを追っていくにつれ分かることなのだけれど...

本作は、ホンジュラスからの不法移民の少女とメキシコのギャング団の青年との偶然の出会いを描いたロードムービー。ロードムービーという語感から何を想像するかにもよるけれど、ここには、ロマンのかけらもなく、貧困社会が生み出す負の犠牲が重く圧し掛かってきます。

豊かな国アメリカを目指す中南米の不法移民の問題は、アメリカ映画でも、ニュースでも耳にする話。本作では、サイラたちは、ホンジュラスから、グアテマラ、メキシコを経由してアメリカ・テキサス州を目指すのである。メキシコとの国境を越える移民は、メキシコの人々だけではなかったのですね。

そして、メキシコのギャング。カスペルとともにギャンググループに入るスマイリーは 10 歳ぐらいかな。ギャングの意味もわかっていないであろう、貧しく、いたいけな男の子。グループに入れば、いきなり大人扱いされ、仲間として認めてもらうために、人殺しまでしなければならない。

スマイリーは、まだ善悪の分別もわからず、良心も罪の意識の意味もわからない。この作品では、カスペルとサイラの淡い恋物語ラインとともに、実はこのスマイリーがどのようにギャングとして一人前に成長していくのかという過程をのぞかせていて、ぞっとしてしまいました。

カスペルがサイラを助けたのは、恋人がリルマゴの手にかかったという過去があるから。サイラがカスペルに寄り添おうするのは、自分のためにリルマゴを殺してしまったカスペルに恩義を感じるとともに、おそらく心を通わせられる相手をはじめて見つけたから。

カスペルとサイラの行動は、無謀と言う以外なにものでもありません。理解しがたい面もあるのですが、2 人が起こした行動は、極限状態に置かれた中で互いの存在を見出した結果だと思うのです。

ホンデュラスでのサイラの瞳には、未来や希望は映っていませんでした。ラストで、彼女の瞳には、未来と希望が見えたような気がしたのが唯一の救いでした。絶望しか残されていなかったカスペルが、サイラを希望へと導いたことは、皮肉でもあり、現実の痛ましさがヒシヒシと伝わってきます。



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