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家庭内コンプレックス?... 「ボローニャの夕暮れ」

2011.07.30.Sat.14:35
「ボローニャの夕暮れ」
DVD

原題: Il papa di Giovanna
製作年: 2008 年
製作国: イタリア
監督: プピ・アヴァティ
出演: シルヴィオ・オルランド、フランチェスカ・ネーリ、アルバ・ロルヴァケル、セレーナ・グランディ、エッジオ・グレッジオ

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[あらすじ] (引用: Movie Walker
1938 年のイタリア、ボローニャ。高校の美術教師ミケーレ(シルヴィオ・オルランド) は、同じ高校に通う 17 歳の娘ジョヴァンナ (アルバ・ロルヴァケル) を溺愛しており、内気で奥手の娘にも恋人ができることを心待ちにしている。ジョヴァンナが人気者のダマストリと話しているのを目にしたミケーレは、ダマストリに、進級を盾に娘に親切にするよう持ち掛ける。美しい母デリア (フランチェスカ・ネーリ) は、こうした夫ミケーレの手出しに不快感を表す。ある日、高校の体育館倉庫で、ジョヴァンナの友人マルチェッラの他殺体が発見され、ジョヴァンナが殺人犯として連行される。取り調べで犯行を自供したジョヴァンナは、裁判で心神喪失が認められ、レッジョ・エミリアの病院に入院する。教師の職を追われたミケーレは、ジョヴァンナに会うため、足しげく病院に通うが、母デリアは気持ちの整理がつかず、娘に会いに行けなかった。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


社会的、政治的騒乱を背景として、とある家族の歴史、人間模様、絆を描くというイタリア映画の定番的な側面を持つ作品。

本作において、背景はムッソリーニ政権下、ボローニャに暮らす 3 人家族の再生の物語ですが、政治的な色彩はほとんどなくて、一家族の物語に注力しています。

この家族、最初から何かがすれ違っている、あるいは、どこかが絡まって縺れているようなところがあり、とても引っかかる感じがしたのですが、その引っかかりがこの作品の展開そのものでした。

ひとり娘のジョヴァンナを異常に溺愛する父。内気で心の病を抱える娘ジョヴァンナ。夫にも娘にもどこか冷淡な母。

娘かわいさで、内気でオクテな娘にもなんとか恋人ができないかとヤキモキする父親が、高校教師という立場であるにもかかわらず、娘が気に入っている相手の男子学生に対して、進級を一種の取引に、娘に優しくするように言うところから、この家族の歯車が狂ってきます。

人一倍思い込みが強く、妄想癖がある娘... そんな娘が恋に落ち、それが殺人事件へと発展するのですが。そもそも心の病を抱えていることを知らなかったのでしょうか、この親たちは... それまでにも娘にはおかしな行動があったにもかかわらず、見て見ないふりをしていたのでしょうか。

母デリアは、教師の夫の妻としては快活で奔放なところがあり、夫との結婚生活にも満足していない様子で、この一家を何かと手助けしてくれる夫の友人の頼もしさに想いを寄せているのです。もちろん表には出しませんが、こんなハズじゃなかったと、愛と結婚に対する後悔が感じとれます。

実は、オクテな娘ジョヴァンナは、こうした母の女としての姿を見抜いていて、それが心の病の原因であったことがわかるのですが、それは、自分にはないものを持っている母に対するある種のコンプレックスのようなものだと思います。

父ミケーレは誠実な夫であるけれど、容貌の面でも経済力の面でも頼りなく、妻デリアには相応しい相手ではなく、妻の不満も感じ取っているし、妻が友人に寄せる想いにも気付いているフシがあり、これもコンプレックスと言えると思うのです。

娘が精神病院の施設に預けられても、母親は娘に会いに行こうともせず... 他人様から後ろ指をさされる生活に堕落し、幸せな家族・結婚生活の破綻と向き合えないのでしょうけれど。殺人犯の娘が許せないのか、父親の娘への接し方が許せないのか、結婚に対する過去の自分の妥協が許せないのか。

事件が起こって家族の絆が深まるのではなく、家族間で互いにコンプレックスを抱く様相が、なんとも不思議で、歯切れの悪さやきまずさが、陰を落とす作品でした。



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