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静寂と神秘... 「蜂蜜」

2011.08.14.Sun.23:37
「蜂蜜」

原題: Bal
製作年: 2010 年
製作国: トルコ=ドイツ
監督: セミフ・カプランオール
出演: ボラ・アルタシュ、エクダル・ベシクチオール、トゥリン・オゼン

bal-poster

[あらすじ] (引用: Movie Walker
幼いユスフ (ボラ・アルタシュ) は、手つかずの森林に囲まれた人里離れた山岳に両親と共に住んでいる。養蜂家の父、ヤクプ (エクダル・ベシクチオール) は、森深くにある高い木のてっぺんに仕掛けた特製の巣箱で黒蜂蜜の養蜂を行って生計を立てていた。ユスフにとって、森は神秘に満ちたおとぎの国で、父と森で過ごす時間が大好きだった。ユスフは父を憧憬にも似た眼差しで見つめる。小学校に入ったばかりで読み書きを学んでいるユスフは、クラスメイトの前で教科書を読んでいると突然吃音になり、他の生徒たちから笑われてしまう。上手に音読できたら先生からもらえる “よくできましたバッジ” を自分一人だけがもらえないのではないかと焦っていた。そんな中、森の蜂たちが忽然と姿を消す。ヤクプは家族の生活のため、蜂を捜しに遠く深い森に巣箱を仕掛けに入っていく。

第 60 回 (2010 年) ベルリン国際映画祭金熊賞受賞


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


セリフは最小限に抑えられ、バックグラウンド音楽のない作品。

森と共に生きる人間の営みの原点を知る物語になっています。ただひたすら耳を澄まして、自然が奏でる音を拾い集めながらの観賞となりました。

とにかく人工的な音が一切ないため、静寂にどっぷり浸るとともに、静寂を強いられる作品。こうした作品を見ながら、睡魔に襲われて鼾をかいたり、ゴソゴソとビニールの音やズルズルと飲み食いの音を立てるなどというのは、もってのほかという観賞環境でした。

上映前には、そうした観賞のための注意事項がわざわざアナウンスされたことには、ちょっと笑えました。何も知らないで見に来る方も多いでしょうね。

森の道を歩む土を踏みしめる音、木々の枝や葉が擦れ合い、軋む音、森を通り抜ける風の音、鳥の羽ばたきや囀りの音、虫の鳴き声... こうした自然の音がセリフになっていて、人の口から出る言葉よりもはるかに多くを語っているのかもしれません。

小学校で音読が上手くできず、吃音に悩むユスフ。人間の言葉と自然界の音、この 2 つは相対するものではなく、融合するものなのかなと思いました。

森の樹に抱かれて眠るユスフの姿がとても印象的で、自然との共生に根付くユスフという人間の原点のような気がしてなりませんでした。

この作品は、スクリーンで見て正解でした。神秘的な映像、自然の音に囲まれる臨場感は、DVD 観賞ではなかなか味わえないと思うのです。

本作は、その後のユスフを追った青年期の「ミルク」 (2008)、壮年期の「卵」 (2007) とともに三部作になっており、ひとりの人間の成長過程を描いています。三部作としては、壮年期の 「卵」 から発表されて、青年期、幼年期へ遡っていく手法だったようです。




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