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縦糸と横糸で... 「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

2011.09.19.Mon.01:00
「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

原題: Pájaros de papel
製作年: 2010 年
製作国: スペイン
監督: エミリオ・アラゴン
出演: イマノル・アリアス、リュイス・オマール、ロジェ・プリンセプ、カルメン・マチ

pajaros de papel_poster

[あらすじ] (参照: 公式サイト
1930年代、スペイン・マドリード。内戦で妻と息子を失った喜劇役者ホルヘ (イマノル・アリアス) は、悲しみに暮れる。終戦後、相方のエンリケ (リュイス・オマール) と再会した彼は、戦争孤児のミゲル (ロジェ・プリンセプ) とともに3人で暮らすことになる。亡くした息子と同じ年頃のミゲルに、哀しみのあまり冷たく当たってしまうホルヘ。そんな中、軍はホルヘに反体制派の容疑をかける。監視に怯えながらも、ホルヘとエンリケは仲間たちとともに舞台に立ち、歌や踊り、笑いで観客を魅了する。

第 34 回 モントリオール世界映画祭 観客賞受賞


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

スペイン内戦とフランコ独裁政権がもたらしたものは、いまなおスペインの人々の心に暗い影を落としていると言われますが、その歴史的背景については、多少かじったぐらいなので、そうした部分を深く掘り下げられないのが悔やまれます。

フランコ独裁政権下では、思想統制や言論統制が厳しく行われ、多くの芸術家が国外へ逃れたそうですが、アーティストたちは翻弄されながらも、戦争で心の傷を負った多くの人々を笑いで癒した生き様が、この作品には盛り込まれています。

スペイン内戦で家族を失ったホルヘ、ホルヘの相方エンリケ、孤児のミゲル。血のつながりのない 3 人が、旅芸人の一座のメンバーとして、家族として、生活し、絆を深めていく人情物語にもなっています。

監督自身は代々続くサーカスアーティストの家系で、スペインを代表するエンターテイナーだそうで、自らの体験や、祖父や父親の経験談も大きく反映されているようです。

ホルヘは気骨のある喜劇役者です。もちろん、家族を奪った戦争、体制に対する不満はあるのでしょうけれど、決して単に感情型の過激な反体制運動家に陥るのではなく、あくまで喜劇役者として守るべき自由のための冷静な反骨精神が感じられます。

戦争で失われた人々の笑顔を取り戻そうとする喜劇役者のプロ魂を縦糸とするならば、戦争で親を失った子供と戦争で子供を失った親との出会いは横糸で、この作品は、その縦糸と横糸が紡ぎだす再生の物語でもあるような気がします。

全体のトーンは淡々としていて、ベタベタしていないところが、ワタシは好きでした。



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