スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[16th BIFF] 「Las Acacias」

2011.10.19.Wed.20:49
16th Busan International Film Festival
World Cinema
「Las Acacias」

原題: Las Acacias
製作年: 2011 年
製作国: アルゼンチン=スペイン
監督: Pablo Giorgelli
出演: Germán de Silva、Hebe Duarte、Nayra Calle Mamani

las acacias_poster

[あらすじ]
中年のトラック運転手 Ruben は、パラグアイからアルゼンチンのブエノスアイレスまで材木を運搬している。ある日、Ruben は、赤ん坊を連れたグアテマラ出身の女 Jacinta を乗せてブエノスアイレスまで届けることになり、1,500㎞ の旅が始まる。

2011 年 カンヌ国際映画祭 カメラドール賞


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


今回 BIFF で鑑賞した作品の中でも、これは珠玉の作品でした。

冒頭は森で木を切り倒す場面、トラックで運搬する場面などドキュメンタリーかと思うような映像でした。本作が長編デビュー作の Pablo Giorgelli 監督はドキュメンタリー作家だそうで、なるほどとうなずけました。

本作は、中年のトラック運転手と、同乗した女性のロードムービー。セリフはほとんどなく、なんとなく辛気臭く、無機質な作品だなと思ったのですが、それもそのはず、バックグラウンドの音楽が聞こえてこないのです。

聞こえる音は、トラックのエンジンの音、砂埃を立てるタイヤの軋む音、排気ガスが吐き出される音。感覚的には、お世辞にも心地よいとはいえず、環境には良くないとおぼしき耳障りな音ばかりです。

ロードムービーにはスタイリッシュな音楽が付きもののような気がしますが、音楽のかけらもないと、映像がこれほどまでに無機質で、居心地が悪いものとは。

さらに、劇中のトラック運転手は、とても無愛想。同乗する女に親切にふるまうでもなく、どちらかというと、子連れの女を迷惑そうに扱うのです。

トラック運転手と女との間にぎこちない空気がながれていたその序盤から、ラストまでに一体何があるのか...

特に 2 人を結びつけるような大きな事件があったわけでもなく、ゆっくりと少しずつ、互いを理解していくのです。互いを理解すると言ってしまっていいのかどうかも分かりませんが、少なくとも、互いに関わろうとするとでも言っておきましょうか。

無愛想だった運転手が心を開くきっかけは、女が連れてる赤ん坊のあどけなさ。この赤ん坊がとってもカワイイのですが、相当な演技力の持ち主!!

子連れの女が赤ん坊を胸に抱き、荷物をいくつも抱え持っていても、手を貸すことさえしなかった男が、ラスト近くには、赤ん坊を抱いたり、荷物を運んだりして、心を開いていく様がさりげなく描かれています。

男の孤独を癒すその過程は、小さすぎるほど小さな心の動きの積み重ねなのですが、デリケートな心情が丁寧に描かれています。

ラストは、耳障りなエンジン音も気にならないぐらい、ちょっとウルっとする結末で、そこまで自分も一緒にトラックに揺られてきた気分で、そういう気分にならければこの 2 人の間に生まれた情感は理解できなかったと思います。





コメント

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。