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[12th FILMeX] 『豊山犬 (原題)』

2011.11.29.Tue.15:22
第 12 回 東京 FILMeX コンペティション
『豊山犬』 (原題)

原題: 풍산개
製作年: 2011 年
製作国: 韓国
監督: チョン・ジェホン
出演: ユン・ゲサン、キム・ギュリ、キム・ジョンス

punsange

[あらすじ]
韓国と北朝鮮の休戦ラインを密かに行き来し、人々から依頼された物資を運ぶ男プンサン (ユン・ゲサン)。プンサンの噂を聞きつけた韓国の諜報局は、韓国に亡命した北朝鮮高官 (キム・ジョンス) の愛人イノク (キム・ギュリ) を脱北させるようプンサンに依頼。困難を克服して 3 時間で国境を越えたプンサンとイノクの間には、特別の感情が生まれる。それを察知した亡命高官はプンサンに嫉妬。諜報局はプンサンを利用して、イノクを亡命高官から解放させる代わりに、さらなる任務を遂行させようとする。その頃、韓国に潜入していた北朝鮮スパイたちは、裏切り者の亡命高官とイノクの命を狙う。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


フィルメックスで鑑賞する前に DVD で見ていたけれど、スクリーンで見直しても、ああ、良かったなと思える作品でした。チョン・ジェホン監督は 『絶対の愛』、『ブレス』の助監督を務め、キム・ギドク監督の愛弟子。本作の製作と脚本はキム監督が担当しています。

本作は、キャストもノーギャラで出演した低予算で製作された作品。キム・ギドク監督の『うつせみ』 に少し似ているところがあります。プンサン (ユン・ゲサン) はセリフが一言もないこと、心を通わせるイノク(キム・ギュリ)は年の離れた男のものであること。『うつせみ』 はとても狭い空間の中で繰り広げられましたが、『豊山犬』 には南北休戦ラインを超えるというスケール感があり、低予算とは思えないダイナミックさを感じました。

ギドクテイストがそこかしこに匂うことは否めませんが、同時に、チョン・ジェホン監督ならではのフレッシュな視点もあり、常日頃ギドク作品が苦手だと感じておられる方でも、こちらの作品は楽しめるのではないかと思います。

主演のユン・ゲサンの好演も光っています。ワタシは、これまでユン・ゲサンが出演していた TV ドラマや映画では、一度も彼をいいと思ったことがありませんでした。比較的甘っちょろいキャラが多いせいでもありますが、本作のプンサン役は、目つきも鋭く繊細な表情で、全身全霊を傾けている感じがとても良いです。

北朝鮮からの亡命高官の愛人役のキム・ギュリ (キム・ミンソン改め) は、『美人図』 でキム・ナムギルの相手役だったということがすぐ頭に浮かんできますが、本作では微妙な感情を丁寧に演じていたと思います。

プンサンとイノクの極限状態での接吻シーンは、涙が出ました。そこでキスするのか?というツッコミは野暮というのもので、この中盤のクライマックスからラストを想像することはできず、そうした展開を楽しむ面白さがありました。

見終わって、北にも南にも属さない鳥のように自由なキャラクターを描いたというチョン監督の意図は、充分に伝わり、南北分断の悲哀、切実さの描き方としては、とても斬新な面が見られました。

終映後、客席で本作を鑑賞していたキム・ギドク監督の弟子を見つめる目は優しくて、その師弟愛にちょっと胸を打たれましたね。個人的にも思い入れの深い作品となって良かったです。

本作は、来年、日本で劇場公開予定。


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