スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[12th FILMeX] 『ムサン日記~白い犬』

2011.11.29.Tue.17:40
第 12 回 東京 FILMeX コンペティション
『ムサン日記~白い犬』

原題: 무산일기 (ムサン日記) 
製作年: 2010 年
製作国: 韓国
監督: パク・ジョンボム
出演: パク・ジョンボム、カン・ウンジン、チン・ヨンソク、ソ・ジンウォン

journals of musan

[あらすじ]
脱北してソウルに住むスンチョル (パク・ジョンボム)。同じ境遇の友人のギョンチョル(チン・ヨンソク) と同居しながら、ポスター貼りなどで細々と生計を立てているが、刑事が紹介してくれても就職は思うようにいかない。脱北者に対する目は冷たいのだ。スンチョルの心の友は、道で拾った白い犬。スンチョルは教会で出会った女性スギョン (カン・ウンジン) に好意を持ち、彼女が父親と経営するカラオケボックスでアルバイトを始めるが、バイト先でトラブルを起こしてしまう。一方、ギョンチョルも脱北者仲間とのトラブルに巻き込まれる。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


今年のフィルメックスでは、コンペ部門に韓国から 『豊山犬』 と 『ムサン日記~白い犬』 の 2 作品が出品され、犬対決とか、弟子対決と言われました。『豊山犬』 のチョン・ジェホン監督がキム・ギドク監督の弟子ならば、パク・ジョンボム監督は、イ・チャンドン監督の弟子。そうした比較からも注目が集まったのでしょう。

本作は、第 2 の 『息もできない』 とも言われ、昨年の釜山国際映画祭での発表から 1 年余り、世界中の映画祭をまわって賞を多数獲得し、今回フィルメックスで紹介されることになったという経緯は 『息もできない』 と同じです。

本作は、一瞬ドキュメンタリーかと思えるようなタッチで、脱北した若者の生活をとらえた作品。脱北した人々が、脱北先の韓国でどのように扱われ、いかに厳しい現実と向き合っているかということが描かれています。

主人公の脱北者スンチョルは、監督自身の知り合いで実在の人物をモデルにしたのだそうです。スンチョルの心のよりどころが白い犬と教会であることからわかるように、疎外感や孤独にさいなまれる脱北者の姿が丁寧に、リアルに描かれています。そして、韓国における脱北者の受容性の低さは、全編を覆っている、寒々しくもあり、空々しくもある、よそ者を突き放すような雰囲気が物語っているようです。

キリスト教へのアンチテーゼを感じた観客もいたようですが、ワタシはあまりそういう感覚を持ちませんでした。宗教によって癒されることもあれば、癒されないこともあるという淡々とした感覚はありましたが。ただ、宗教によってつながる人と人との絆への憧れのようなものを、スンチョルの目から感じとりました。

終盤、白い犬に接するスンチョルの態度は、理解できるような、できないような... 白い犬に、過去の自分の姿を重ねたのか、あれは、過去と決別する覚悟だったのでしょうか。

あまり明るい話ではありませんが、全体のトーンが暗いわけではなく、どちらかというと乾いた感じ。そこに心の中の渇望も感じたのですが、一体何に対する渇望だったのかなと振り返るものの、答えが見つからず彷徨ったままです。





コメント

管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。