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[12th FILMeX] 『奪命金』

2011.11.29.Tue.23:30
第 12 回 東京 FILMeX 特別招待作品 クロージング
『奪命金』

原題: Life Without Principle
製作年: 2011 年
製作国: 香港
監督: ジョニー・トー
出演: ラウ・チンワン、リッチー・レン、デニス・ホー、マイオリー・ウー、ロウ・ホイパン

life_without_principle_poster

[あらすじ] (引用: 東京 FILMeX 公式サイト)
銀行員のテレサ (デニス・ホー) は、上司からリスクの高い金融商品を売ることを命じられ、日夜セールスに従事している。黒社会の雑務を引き受けているチンピラのパンサー (ラウ・チンワン) は、破産しかかった友人から助けを求められ、ある計画を立てる。刑事のチョン (リッチー・レン) は、妻や父親から家庭の問題を持ち込まれ、対応に苦慮している。ある日、テレサの顧客である金貸しが銀行から大金を引き出した直後に駐車場で暴漢に襲われ、金を奪われてしまう。この事件をきっかけに 3 人の運命は絡み合い、事態は突如巻き起こった金融危機の中で思わぬ方向に展開する。 

2011 年 ヴェネチア映画祭 コンペティション部門


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

本編上映前に、ジョニー・トー監督のビデオメッセージが流れました。ビデオをセットして、やおら椅子を持ち出して、カメラの前に座りこんだおじさんはトー監督! セルフ撮りという思いがけない映像に、場内から笑いが起こりました。素顔の監督は、「30 年間のキャリアの中でも、これまでと違う方法で試した作品です」 とコメント。

本作は、107 分という尺ですがもっと長く見ていた感じで、意外に短かったのだと少し驚きました。主人公は、ごくごく普通の 3 人。ノワールでもなく、激しいガンアクションもなく、金を巡って起こる事件にかかわるこの 3 人の群像劇という印象を受けました。

『エグザイル/絆』、『文雀』 のようにトー監督特有のスタイリッシュな映像もなく、雨も降らず、スローモーションもなく... 最終的にはヒューマンドラマだったのかなと。

ストーリーの展開もテンポよくて、もちろんそこかしこにコミカルさも加えられています。最も注目したのは、時間軸をずらして見せているところでしょうか。不思議なことに、3 人は互いに接点を持たないながらも、それぞれが意図せずに奪われた金と関わるのです。絡みそうで絡まない、絡んでいるはずなのに互いにすれ違っている、こうした視点で描かれているところが面白かったですね。

株の暴落、ユーロ下落、ギリシャ危機と、今まさにタイムリーな話題。金に執着する人、見放される人、泣く人、笑う人、死ぬほど身の縮む思いをする人、死んでしまう人、がっぽり儲ける人... 金を持っていても持っていなくても、人は金に振り回されるもの、そして、金は天下のまわりものと言わんばかりのシニカルさも備えています。

香港の街の一部を切り取ったように見せる、非常に洗練された娯楽作品だと思います。香港映画に詳しい方なら、いろいろな俳優が顔をのぞかせているのがわかり、ニンマリしてしまうところもあるようですが、ワタシは詳しくないので、そういうニンマリを楽しめるようになりたいものです。


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