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内なる敵... 『Blades Of Blood / 雲を抜けた月のように (原題)』

2011.12.06.Tue.18:47
『Blades Of Blood / 雲を抜けた月のように (原題)
韓国版

原題: 구르믈 버서난 달처럼
製作年: 2010 年
製作国: 韓国
監督: イ・ジュニク
出演: ファン・ジョンミン、チャ・スンウォン、ハン・ジヘ、ペク・ソンヒョン、キム・チャンワン、チョン・ギュス 

blade of blood_poster

[あらすじ] (参考: innolife)
1592 年、豊臣秀吉の朝鮮出兵 (壬辰倭乱)の前夜、朝廷内は派閥争いばかりで、朝鮮へ攻め入ろうとする日本軍への対抗策もない。ファン・ジョンハク (ファン・ジョンミン) とイ・モンハク (チャ・スンウォン) は万人に平等な世界を夢見て 「大同契」 を組織し、しがない権力者たちに代わって、日本軍に対抗しようとしていた。しかし、新リーダーとなったイ・モンハクは自らが王座に就こうと野心を抱き、仲間を殺す。かつての同志であり伝説の盲目剣客ファンは、イ・モンハクを止めようと追いかける。親をイ・モンハクに殺され復讐に燃えるギョンジャ (ペク・ソンヒョン) は、ファン・ジョンハクと共に、彼を追う旅に出る。やがて運命の対決が始まる。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


もう 1 本、朝鮮史劇。

本作も、外敵からの襲来に朝鮮がどう対応したかいう素材で 『最終兵器 弓』 と似ているように見えるので、比べるとちょっと面白いと思います。こちらの時代背景は秀吉の朝鮮出兵で、さぞや反日コードが盛り込まれ、また、英雄・李舜臣将軍が日本軍を蹴散らすという話もあるのかなと思っていたのですが、これが全く違いました。

漢陽に迫りくる日本軍を前に、王を初めとした臣下たちは宮廷を捨てて逃げ出してしまいます。もぬけの殻と化した宮廷を目の当たりにしたイ・モンハクが、虚しさや失望感と向き合う様がひしひしと伝わってきました。

もともと民衆を守りたい一心で結成した組織のリーダーに登り詰めたイ・モンハクが、自ら王に取って代わるという野望を持ったのは行き過ぎだったかもしれないけれど、手をこまねいてばかりの無策の朝廷には望みが託せなかった理由も理解できます。

内側を粛清してから外に対抗したかったイ・モンハク。最初から外だけを敵視していたファン・ジョンハク。どちらも、最終的には同じ目標だったはずで、方法が異なっていただけ。向けるべき刃の矛先は、わかっていたはずなのに。互いのどちらかを潰し合うことに意味はなかったということ、それは派閥争いに明け暮れる朝廷内の無能ぶりと大して変わらなかったということに、イ・モンハクは気づいたでしょうか。

本作には、反日どころか、外と内という対立構図よりも、敵前逃亡で無策な政治と政治に振り回される民衆に対する自虐的な構図が強く描かれています。

本作は、パク・ フンヨンの同名漫画が原作だそうです。さすがに漫画が原作ということで、登場人物のキャラクターは力強いです。盲目剣客ファン・ジョンハクは、まちがいなく 「座頭市」 を意識したキャラだと思います。劇中、イ・モンハクがリーダーとしてカリスマ的な鋭さを放っていたのに対し、ファン・ジョンハクはコミカルタッチでありながらも鋭さを放っていて、キャストとキャラクターはマッチしていたと思います。

キャストで残念だったのは、ファン・ジョンハクが連れて歩いた青年キョンジャ役のペク・ソンヒョン。主演 2 人のキャラが強烈ということもありますが、ビジュアル的にもキャラ的にもパンチが足りず、何のためにいるのかよくわからないのです。妓生の息子 (庶子) だといじめられていた設定でしたが、ファン・ジョンハクと出会って、彼の中で何がどう変わっていったのか、出番が多い割にはいまひとつ映し出されていませんでした。

昨年公開された本作の観客動員数は 140 万ほど。外敵を目の前にした内なる争いを自虐的に描いてしまったばかりにウケが悪かったかなと、ついついうがった見方をしたくなってしまいます。ただ、本作は、ローカルな素材を使っていますが、内容そのものに、内向きにメスを入れるようなところが見えて良かったと思います。





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