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人々を翻弄する奇蹟... 『ルルドの泉で』

2011.12.31.Sat.18:00
『ルルドの泉で』

原題: Lourdes
製作年: 2009 年
製作国: フランス=オーストリア=ドイツ
監督: ジェシカ・ハウスナー
出演: シルヴィー・テステュー、レア・セドゥー、ブリュノ・トデスキーニ

Lourdes

[あらすじ] (引用: MovieWalker
不治の病により、長年、車椅子生活を送ってきたクリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)は、奇蹟の水が湧き出ることで有名な聖地ルルドへのツアーに参加する。そこには、病を抱えた人や、家族を亡くして孤独な老人、観光目的の主婦たちなど、奇蹟を求めて様々な人たちが参加していた。そんな中、別段熱心な信者でもなかったクリスティーヌに奇蹟が起こる。立って歩けるようになったのだ。

2009年 第 66 回 ヴェネチア国際映画祭 国際批評家連盟賞受賞


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


奇蹟の泉が湧き出る聖地として知られる、フランスとスペイン国境間に位置する村ルルド。この村には、ルルドの泉の奇蹟を求めて世界中から人が集まってきます。噂には聞いていましたが、映像で見た聖地ルルドは、まるでおとぎ話に出てくる城がそびえ、聖なる水を求める人々の大行列ができています。

本作は、奇蹟を巡る人間模様と繊細な心理が丁寧に描かれたストーリー。

実際に奇蹟が起こり教皇庁から認定された人々もいるわけで、奇蹟は誰にでも起こりうるのだ、自分がその奇蹟に選ばれるかもしれないと、期待して集まってくる人間の心理は充分に理解できます。

誰にでも起こりうると思っているけれど、自分ではなく、別の人に奇蹟が起こったときの落胆と妬み。しかも、信仰心の薄い人にその奇蹟が起こってしまうものだから、やりきれない気持ちになるのも理解できます。信仰の篤さと奇蹟には何ら関係がないの? 本当に神の選択なのだろうか?

車いすでの生活を強いられていたクリスティーヌに、ある日奇蹟が起こり、健常者としての生活が期待されるのですが、周囲の目は 「なぜ、自分ではなくて、あの人なの?」 と冷めた視線を送ってくるのです。

素直に歓びを分かちあえない人々。そして、奇蹟が起こった当人もどこか心浮かないところがあるのです。真の奇蹟かどうかわからず、一時的な症状の改善なのかもしれず、翌日にはまた車いすが必要になるかもしれないという不安。

奇蹟は、希望、歓び、恩恵という光の部分以上に、不安、疑問、嫉妬、羨望、欲心といった人間の闇の部分を抉り出してしまっているところが、何とも残酷でした。

シニカルで、ブラックコメディにも似たトーンなのですが、笑えるようで笑えない話なのです。神は本当のところ、人間のことをどう思っているのかしら。神がきまぐれに起こす奇蹟は、どれだけ人間を翻弄していることか。信心のないワタシは、こんなグチを神に向かって言ってしまいそうです。

ところで余談ですが、ネットで 「ルルドの泉」 を検索していたら、ルルドの泉と成分が比較的近いミネラルウォーター Luchon (ルション) が日本でも購入できるそうです。うーむ、そのミネラルウォーターを見かけたら、まちがなく買ってみるでしょう... 私は...


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