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何の扉を開けるのか... 『サラの鍵』

2012.01.13.Fri.19:14
『サラの鍵』

原題: ELLE S'APPELAIT SARAH
製作年: 2010年
製作国: フランス
監督: ジル・パケ=ブレネール
出演: クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストラップ、エイダン・クイン、フレデリック・ピエロ

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[あらすじ] (引用: MovieWalker
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア (クリスティン・スコット・トーマス) は、45 歳で待望の妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて 1942 年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらに、その一家の長女で 10歳の少女サラ (メリュジーヌ・マヤンス) が収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて。果たして、サラは弟を助けることができたのか? 2 人は今も生きているのか? 事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


本作は、タチアナ・ド・ロネの同名ベストセラー小説を原作とした、ナチス占領下のパリで行われた、フランス警察によるユダヤ人迫害事件 “ヴェルディヴ事件” を題材としている。

ヴェルディヴ事件は、『黄色い星の子供たち』 でも詳細に描かれていたそうだが、ワタシはその作品を見ていないので、後日見たいと思っている。

ナチス占領下のパリで起こった事件に巻き込まれたユダヤ人少女サラの悲劇を、女性ジャーナリスト・ジュリアが解き明かしていくという展開。サラが生きていた時代とジュリアが生きている現在を行き来する構成になっていて、とても見ごたえのあるストーリーだった。

ヴェルディヴ事件を追っていくうちに、ジュリアは、自分たちが住むアパートが、かつてサラが住んでいたアパートだったことを突き止める。

突然やってきた警察から弟を守ろうと、咄嗟に弟を納戸に隠して鍵を閉めたサラ。弟を納戸に閉じ込めたまま警察に連行され収容所へ。弟のことが心配でならないものの、弟のもとへ戻りたいという思いは届かず、収容所で両親とも引き離されて...

そして、収容所から決死の逃亡。逃亡の末に、農場の老夫婦により命はとりとめたが、弟のいるパリへどうしても戻らなければと。このいたいけな少女の胸には、どれほどの重しがのしかかっていることかと。弟はどうなってしまったのか...。閉じ込めてからもうかなりの月日が経っているのに。見ている側には、当然、その悲劇的な結末が容易に想像でき、サラがその扉を開ける瞬間を見るのが辛かった。

一生消えることないサラの心の傷は、誰の責任? 戦争のせい? 迫害のせい? 

そして、ジャーナリストの目で歴史的悲劇を追っていたジュリアは、その後のサラをも追っていくが、そにこにジュリア自身の人生の転機も絡まってくる。

タイトルが示す 「鍵」 の意味は、サラが弟を閉じ込めた納戸の鍵とは別に、深い意味があるように思え、おそらく見る人によって、その捉え方は異なるのではないだろうか。

閉ざされていた歴史の真実を明らかにするための鍵...
自分自身が向きあうべく心の鍵...

ジュリア役のクリスティン・スコット・トーマスは好きな女優で、彼女の洗練された知的な雰囲気はジュリア役によく合っていた。

ただ、個人的にはラストはあまり好きではない。サラの悲劇を忘れないためなのか、サラの命を次世代につなぐためなのか。ジュリアにとって意味があるかもしれないけれど、母親の勝手な思い入れと贖罪を子供に託しているような気がして、後味がよくなかった。サラの名前を背負った子供は、成人したら何を思うのか? 

ラストシーンを除くすべては良かった。


◆ Pros
- 歴史的事件と現在を結びつける情感豊かなストーリー。
- クリスティン・スコット・トーマスの知性的な演技に好感度高。

◆ Cons
- 無理やりにまとめたラスト。


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