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僕って何?... 『人生はビギナーズ』

2012.03.20.Tue.09:44
『人生はビギナーズ』

原題: Beginners
製作年: 2010 年
製作国: アメリカ
監督: マイク・ミルズ
出演: ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ヴィシュニック、メアリー・ペイジ・ケラー

beginners_poster

[あらすじ] (引用: Movie Walker
38 歳独身のアートディレクター、オリヴァー (ユアン・マクレガー) は、ある日突然、父・ハル (クリストファー・プラマー) から 「私はゲイだ」 とカミングアウトされる。それは 44 年連れ添った母がこの世を去り、癌を宣告された父にとって、これからは本当の意味で人生を楽しみたいという告白であった。元々は厳格で古いタイプの人間だったハルだが、そのカミングアウトをきっかけに、若い恋人まで作って新たな人生を謳歌。一方、オリヴァーの友達は仕事と犬。父のカミングアウトに戸惑いを隠せない。やがて、父との永遠の別れ。そんな時、オリヴァーは、パーティで風変わりな女性・アナ (メラニー・ロラン) と出会う。まるで初恋の時のような強さでお互い惹かれ合っていく似た者同士の二人。幸せな日々が続いていたが、何かが今まで通りにいかなくなり、またしてもオリヴァーは一人になることを選んでしまう。以前のように愛犬アーサーと取り残されたオリヴァーだったが... 。

第 84 回アカデミー賞 助演男優賞 クリストファー・プラマー 

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


邦題に難癖つけたくなるのは毎度のことだけど、この邦題はいかんせん酷いと思う。「人生はビギナーズ」 って意味不明。 

「Beginners」 は、人間はいくつになっても新しいことにチャレンジできるよというエールだったり、人間は自分自身のことをちっともわかってやしないから、いつまでたっても人間としては初心者だという意味だったりするのではないかと思う。邦題は、思いきりピントがずれている。

この作品、ハートウォーミング風なコメディとも言えるのが、父親が生きてきた時代と、息子が生きてきた時代の価値観の変化や比較も盛り込まれていて、単なるコメディではなく人間ドラマ仕立てだ。母親の死後、父親と 2 人で暮らした日々と、父親を失った現在を交差させて、息子の心の動きが繊細に描かれている。

父親のカミングアウトを機に、僕って何?と悩み始める息子。38 歳にもなって、思春期の少年のような自問自答だと笑うことなかれ。

子供心にも、触れてはならないタブーが夫婦間に存在していたことを感じとっていた息子。父親のカミングアウトに戸惑ったのは、まさしく、父と母は愛し合っていたのだろうか、そして、その 2 人の間に生まれた自分は女性とうまく付き合えるのかと、疑問や葛藤が生じるからだ。

驚いたことに、母親は、父親がゲイであることを知って結婚したし、自分の愛情でゲイは治せると思っていたと。父親は母親に頭があがらなかったであろうし、母親の愛情を感じるたびに父親は罪悪感を抱いたであろう。それが、夫婦のよそよそしさを演出していたに違いない。今でこそカミングアウトができる世の中であるが、ゲイがまだ差別されていた時代の話だ。そして、母親もユダヤ人であるということを隠さなければならなかった時代を通ってきたのだった。

両親の関係は、否応なしに息子の人格形成に大きく影響していた。女性との関係が深くなり前に進もうとすると、両親の姿が思い起こされ、臆病になってしまう息子。そこで、僕って何?と問いかけ、戸惑い、躓くのであるが、ガンと闘病しながらも残された人生を心置きなく思い通りに謳歌した父の姿が、息子の背中を押すことになる。

大人になっても、戸惑い、悩み、躓き、立ち止まるけれど、また新しい一歩を進み始めるから、いつもビギナーなのである。

『アーティスト』 に続き、この作品でもアーサーという名の犬が活躍する。犬は、心の潤滑油だ。



◆ Pros
- 大人の成長物語。
- コメディと人間ドラマ、どちらも楽しめる。

◆ Cons
- 成長できない大人の物語とも言える。


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