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存在の確認... 『ゴーストライター』

2012.03.21.Wed.23:45
『ゴーストライター』
DVD

原題: The Ghost Writer / The Ghost
製作年: 2010 年
製作国: フランス=イギリス=ドイツ
監督: ロマン・ポランスキー
出演: ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリヴィア・ウィリアムズ、トム・ウィルキンソン

ghost writer_poster

[あらすじ] (引用: Movie Walker
元英国首相アダム・ラング (ピアース・ブロスナン) の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター (ユアン・マクレガー) に出版社が提示した条件は、米国で講演中のラングが滞在する島に今夜中に発ち、1 ヶ月以内に原稿を仕上げるという厳しいもの。だがそのハードな仕事と引換に得られるものは 25 万ドルという破格の報酬だった。政治に興味がなく、前任者がフェリーから転落死、その後任ということもあり、彼は気乗りがしなかったが、代理人に説得されてラングの自叙伝を出版するラインハルト社に面接に行き、仕事を引き受ける羽目になる。取材をしながら原稿を書き進めるうちに、ラング自身の過去に違和感を覚えた彼は、前任者の不可解な死を追いかけることで国家を揺るがす恐ろしい秘密に触れてしまう。そして、さらにラングの妻ルースと秘書アメリアとともに巨大な渦にはまっていくのだった。

2010 年 第 60 回 ベルリン国際映画祭銀熊賞 (最優秀監督賞)

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


そういえば、ユアン・マクレガー演じるゴーストライターには最後まで名前がなかった。呼ばれる名前も、自称も ゴースト (Ghost) だったが、それはそもそも存在しない人ということだとすると、ラストシーンがより恐ろしく感じられる。

本作は、見ごたえのあるポリティカルサスペンス劇で、登場する元英国首相のアダム・ラングは、どうみてもトニー・ブレアを思い起こさせる。イラク戦争、大量破壊兵器、捕虜の拷問... アメリカの世界戦略に巻き込まれたイギリスの闇の政治史の何ページかを開いて見ているようだ。

どんよりとした曇り空の下、灰色の海に囲まれた孤島が主な舞台。いかにも秘密めいた気が滅入りそうな場所で、その場所にこそ、暗い謎の鍵があるのではないかと思わせてくれる。ゴーストには太陽の光も必要ないということなのか。

何がなんだかよくわからない白紙の状態から始まるので、少しずつ明らかになる元首相をめぐる不審な点を追うべく画面に見入ってしまうのだが、思い返せば、登場人物も少なく、景色や背景もシンプルで、演出も冷ややかで単調だった。

終盤、バタバタといくつかの事件が起こり、ゴーストの追求もあやふやになってしまった感があるが、ラストに反転が待っていた。ただ、ゴーストはテキスト (文字) 上から謎を解き明かしただけで、裏付けを見せてくれたわけでもないので、それほど驚きはなかった。

ゴーストは、最後にとどめを刺したつもりだっただろうけれど、それは知らないふりをすべき余計なとどめだった。返り討ちに遭うかもしれないことぐらい予想できなかったのか。存在そのものを否定されているかもしれないということ、自らの存在を確認していなかったことに、ゴーストが気づいていなかったのは残念だ。

ラングの妻役のオリヴィア・ウィリアムズ、最初に声だけが聞こえる場面があって、はてな?と第六感が働いたが、やはりそこにあったのかと。



◆ Pros
- ぐいぐいと引きこまれるストーリーライン。
- 登場人物が少ない割には壮大なサスペンス劇。

◆ Cons
- 終盤、やや曖昧でこじんまりな展開が残念。


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