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ほどよいほろ苦さ... 『ヘルプ ~ 心がつなぐストーリー ~』

2012.04.30.Mon.22:18
『ヘルプ ~ 心がつなぐストーリー ~』

原題: The Help
製作年: 2011 年
製作国: アメリカ
監督: テイト・テイラー
出演: エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクテイヴィア・スペンサー、ブライス・ダラス・ハワード、ジェシカ・チャステイン、アリソン・ジャネイ

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[あらすじ] (引用: MovieWalker
1960 年代前半。大学を卒業したスキーター (エマ・ストーン) がミシシッピ州ジャクソンの町に戻ってきた。ボーイフレンドもできないスキーターは母シャーロット (アリソン・ジャネイ) の心配の種だが、本人は結婚よりも作家になることを夢見て、地元の新聞社に就職する。初仕事は、家事に関するコラムの代筆だったが、家事の知識がないスキーターは、友人エリザベスの家のメイド、エイビリーン (ヴィオラ・デイヴィス) に話を聞くが、取材を続けるうち、自分をとりまく南部の上流社会への疑問が芽生えてくる。黒人メイドの現実を伝える本を書きたいと、ニューヨークの編集者スタイン女史 (メアリー・スティーンバージェン) に電話をすると、メイドたちの証言がとれるなら出版できるという答えだった。スキーターはエイビリーンにメイドの苦労話を聞かせてほしいと頼むが、頑なに断られた。南部で黒人が自由にものを言うことは、身の危険を意味しているのだ。だが、エイビリーンの親友で、ヒリーの家で働いていたミニー (オクタヴィア・スペンサー) が、家族用のトイレを使用したために解雇されたことをきっかけに、エイビリーンはスキーターの取材に応じることを決意する。やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していく。

第 84 回 アカデミー賞 助演女優賞 オクタヴィア・スペンサー

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』 は、1960 年代のアメリカ南部を舞台に、黒人メイドと作家志望の白人女性の友情を描いた物語で、キャスリン・ストケットの同名小説を映画化したものである。

長尺なのに時間を長さを感じさせない作品だったが、さすがに原作がベストセラー小説ということあり、かっちりした構成力でまとめ上げられた勢いのあるストーリーであった。

黒人メイドには家族が使用するトイレを使用させず、メイド用のトイレを設置する運動が起こるなど、当時のミシシッピ州は人種偏見の根強い地域だ。白人の子供は黒人メイドに育てられているのに、黒人メイドの待遇は酷いものだ。黒人メイドは自分の母親代わりだと感じているスキーターが、白人至上主義の社会に疑問を持ち、黒人メイドの実態を本にして出版しようとすることから話は始まる。

黒人と白人の人種を超えた融和、黒人の自立... といったコードは、いまさら珍しい話でもない。この物語は、60 年代のアフリカ系アメリカ人公民権運動に関連した歴史フィクションのエピソードのひとつにすぎないととらえた方がいい。

アメリカ南部に住んでいた時、たった一人の有色人種という境遇に何度も置かれたことのある身としては、多民族国家アメリカの民主主義的な体面を保った、いかにも politically correct を強調する内容だと思ってしまった。もちろん、そんな天の邪鬼的な見方をせずとも、素直な見方に従えば、社会変革に対する挑戦を善良な視点でとらえた作品である。

監督・脚本のテイト・テイラーと原作者キャスリン・ストケットは、ともにミシシッピ州ジャクソン出身で、友人同士なのだそうだ。この映画化において、内容に関する深い理解や思いが込められていることは疑いようもない。また、コミカルさとシリアスさのバランスが良く、ほどよいほろ苦さで現実を映し出している。

小説 「ヘルプ」 は、当初ことごとくエージェントから出版を断られ続けたものの、ようやく出版にこぎつけた後、口コミでベストセラーとなったというサクセスストーリーを自ら持ち合わせているのだ。くしくも小説の内容にあるサクセスストーリーと重なるところも心憎い。

ところで、この作品の主人公は、メイドの実態を書いたスキーターなのか、それとも取材に協力した黒人メイドのエイビリーンなのか。友情がテーマだからそんなことは気にしなくてもいいような気がするのだけれど、ラストのシーンを見ると、なんとなく軸がぶれたような気がした。


◆ Pros
- カッチリしたストーリーの構成力
- コミカルさとシリアスさのバランスが良い
◆ Cons
- 今さらなアメリカの人種問題



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